好調の理由は、1杯ずつ豆を挽いてドリップする本格派のコーヒーが1杯100円で飲めるのだから、そりゃ売れる。コーヒーの利益だけでも250億円ほどをはじき出しているのだから、これまた凄い。
では、セブンイレブンで1店舗当たり1日平均何杯売れているか、単純計算すると約90杯なる。これはあくまでも平均でサラリーマン客の多いビジネス街だと200~300杯売れる店もある。
セブンカフェは100円で挽き立ての美味しいコーヒーが評価され、他のコンビニも追従することになったのだが、実はコーヒーにいち早く注目したのはパチンコ業界だった。
そう、コーヒーレディーというワゴン販売を確立したのがパチンコ業界だった。そして、ワゴンコーヒー界にはレジェンドが存在した。
500台クラスのホールで、1日800杯ものコーヒーを1人で売りさばくスーパーワゴンレディーいた。通常、このクラスのホールなら1日200杯売れれば上出来だった。
自販機なら120円のコーヒーがワゴンなら300円もする時代に、どうやれば、1人で1日に800杯も売れるようになったのか?
「お客さまがコーヒーを買うにはきっかけがあるはず。そのきっかけづくりをすればいい」と彼女は閃いた。さらに、自販機より優れているのは、自分には接客ができることに気づいた。コーヒーを売るだけでなく、自分を売ることに努めた。
販売するときは、1人1人に顔を近づけて相手が振り向くまでじっと待った。そして、客が振り向くと最高の笑顔を返した。
注文のコーヒーを持っていった時に、ここからコミュニケーションが始まる。空になったカップを回収するときにまた笑顔を返す。彼女には3回の接遇のチャンスがある。
お客にすれば、コーヒー1杯で彼女の笑顔が3回見られる。
一番の努力は客の顔と名前、好みをすべて覚えることだった。これをインプットすると「●●さん、きょうはよく出ていますね。いつものでいいですか?」と言葉をかけた。これを習慣づけて1日800杯売るようになった。
これこそ、セブンカフェのコーヒーマシンにはできない人間力だ。
しかし、セブンカフェがこれだけ注目されるとコーヒーマシンで、1杯100円でコーヒーを提供しているホールも出てきた。導入して4カ月が結果は予想を下回る結果で、1日20~30杯しか出ていないのが現状だ。採算の最低ラインが1日50杯なので目標を下回っている。
敗因は2つ考えられる。
まず、高稼働を誇っているのだが、客層が若いスロ専のためか、コーヒーをあまり飲まない。かといってドリンクがまったく売れないかというと逆で、エナジードリンクは月間1000本も売れている。
良心的なホールで自販機も100円で販売しているので、挽き立ての100円コーヒーとの差別化が図れていないこともある。
コーヒー好きが多いパチンコホールなら、また違った展開になるかもしれないが、マシンを操作するのが苦手な高齢者には抵抗感があるかも知れない。
ちなみに、セブンカフェで採用されているコーヒーマシンは、外国製の業務用で1台100万円はするそうだ。100万円のマシンを買ってでもやりますか?

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