派遣会社と派遣スタッフ、また派遣元と派遣先、相互間の信頼を保つ為にも問題が大きくならないうちに自社の担当者が事の真相を究明し対処することも心がけているそうだ。
先般、その部長のもとに、あるホールに派遣している女性スタッフから『相談書』が届いた。
概ね、内容はこうだ。
派遣先として今のホールに勤務して4ヶ月。同僚のスタッフさんとも仲良くなり、業務にも慣れ作業スピードも随分上がったと思っています。
接客サービス業は好きな業種なので、最初からお客さまとの会話も苦になりませんでしたし、自分から積極的にお客さまに話しかけるように心がけていました。
店長さんもそんな私を評価して頂き、「頑張ってるな、契約継続だなっ!」とよく声を掛けて下さいます。そんな私の唯一の悩みは、グループの他店から異動して来られた副店長さんの存在です。
副店長さんが私の派遣先のお店への異動が内定した2ヶ月前、店舗のカウンタースタッフの女子社員を中心にこんなことが囁かれました。
「あのバツイチ副店長、例の思い込み癖がエスカレートしてるって噂だよ」
「以前、本部に呼び出されて部長にお叱りを受けたらしいけどねぇ・・・」
「うちの派遣の子、危ないんじゃないの」
その頃、女子社員の中でも最古参の先輩社員さんから呼ばれてこんなことを言われました。
「新しい副店長から食事とか誘われても、絶対に一緒に行っちゃダメ」
「業務中の会話も定型の連絡くらいで・・、それと、愛想よく笑顔で話すのもやめなさい」
そして、副店長さんが赴任されて1ヶ月が過ぎた頃。業務中に接客指導といっては私によく話かけて来られました。時には、映画や食事に誘われたこともありました。
私は先輩社員さんのアドバイスもあってプライベートのお誘いはさり気なくお断りしていました。
でも、派遣とはいえ店舗のルールで緊急連絡先として店長と副店長には私のケータイの番号とメルアドをお知らせしてあります。
そしてこの1ヶ月、緊急でもないのに副店長さんから夜間にケータイにメールが届くようになりました。食事のお誘いだけではなく、仕事に関することも書かれているので無視するわけにもいかず、失礼にならないように返信を送っていました。
しかし先日、私の返信メールを副店長さんへの好意の証だと思い込んでいる節があるようだ、という周囲の声を聞いた時には驚きました。
そして最近では、「いつだったらOKなの?」「休日なのにそんなに忙しいの?」と、食事に誘われる回数も増え、断ることを咎めるような態度も見受けられます。
数日前、店舗の食事会の時はお酌をさせられ、酔っぱらってさり気なく身体に触り、最後はタクシーで送ってやるとしつこく言われてお断りするのが大変でした。
以前、社内のハラスメント研修会で、男女雇用機会均等法では「派遣元と派遣先の両方の会社にセクハラ防止の措置義務がある」と定めていると習いました。
派遣社員がセクハラを受けた場合には、派遣先、派遣元、両方の会社に責任があるということだと思いますが、派遣先に相談する前に自社に『相談書』を提出させて戴きます。
【完】
そして、メールは消さずに証拠として残してあるということだった。内容からすれば、ことさらパチンコ業界に限ったものではない。
ある一連の出来事、感情や思い入れが違えば受け止め方や捉え方は随分違ってくる。当事者である副店長からすればセクハラのつもりは無いというのかも知れない。
しかし、「セクハラは、基本的に被害者が“性的な不快を感じたかどうか”が判断基準になります」と言い切られてしまう。
セクハラの場合、従業員が公的機関に相談に行って、企業側が呼び出しを受けることも珍しくない。裁判になるケースも年々増えているという。
今やセクハラ問題は、企業責任が問われる問題。何か起きてからの対応では遅く、最低限のことはすぐに実行しておく必要があるようだ。
企業人であれば、セクハラ、パワハラ、モラハラくらいは具体的にしっかりと学んでおく必要がある。今の時代、「見解の相違」では済まされないことは皆さん重々承知しているはず。
加えて、それを未然に防ぐ社内のシステムも整備しておくにこしたことはない。決して、対岸の火事ではない。

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