パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

繁盛店の極意

規模では10店舗ほどだが、全店舗が地域一番店を誇っている。銀行も優良な財務体質企業として認めるほどだ。



銀行の支店長がそのオーナーと話す機会があった。全店の業績を上げる極意が明らかになった。



「店に来ていただいているお客様は、全員が自分の子供や親せきだと考えています。店の周辺の方々に来ていただいているわけですが、何年もうちの店でおカネを使っていただいて、幸せを感じてもらえなかったら、うちの存在価値はありません」



誰だって自分の子供や親せきには酷いことはできないし、しない。



業界では「抜く」という言葉を普通に使うが、この考えを業界はまず改めなければならない。お客様と呼ぶ一方で、「抜く」では、業界の地金が出ている、というものだ。



このオーナーは「一番重要なことは出玉率」というように、抜くことではなく、いかに「出す」か、という発想がそこにある。



ただ、最初からそういう考えではなかった。Bモノが当たり前の時代に、ご多分に漏れず一時期使っていた。



「結果的にはお客様を裏切ることになる」というオーナー判断で使うことを止めた。途端に稼働は落ちたが、それでも使うことはしなかった。



と、同時に店長に厳命したのが「ガセイベント」の禁止だった。ホールで遊んだお客さんが後悔するパチンコ店づくりをすることは、一時的に集客はできても、長い目で見れば稼働が落ちることは目に見えている。



お客さんのことを家族と考えるオーナーの意識の差が、店の業績に反映され、繁盛店となる。そうなると必要以上に拡大路線にも走らない。身の丈で経営していれば、借金もそんなに膨らまないので、「抜け、抜け」の号令をかけることもない。



一方、女性客の比率が高いホールは相対的に高稼働の店が多い。女性が多いということは安心して遊べる、ということで男性客も増える、というのがその理由の一つだ。



人口が減るということはおカネを使う人も減る中で、男性よりも女性の方が娯楽に支出する金額が多い、ともいわれている。家庭の場合、財布を握っているのは7割が奥さんで、高額商品や娯楽の出費への決定権はさらに9割が奥さんの方が主導権を握っている。



人気の東京ディズニーランドや宝塚歌劇、劇団四季は女性客が支えている。



ところが、パチンコは独身でおカネを自由に使える消費意欲が旺盛な女性(20~34歳)の集まる場所になっていない。



彼女たちの行動の価値観は以下の3つ。



① 自分がそこへ行って恥ずかしくない環境か?

② 行ってみて楽しい環境か?

③ さらに使ったおカネに見合ったものか?



最近は「お一人様産業」が注目されている。グループで来るのが当たり前だったカラオケや焼肉、鍋ものにお一人様を歓迎する動きがある。



パチンコは元来お一人様産業であるはずなのに、消費意欲が旺盛な女性を取りこぼしている。



「新大久保のコリアンタウンの飲食店で流行っているのは、韓国のイケメンを揃えている店ですが、イケメンという理由だけではありません。焼き肉を食べた後は、服に付いた臭いをイケメンがファブリーズをかけて取ってくれる。これが女心をくすぐってリピーターになるんです。自分でファブリーズをかけるのではなく、イケメンがファブリーズをかけるこのサービスが、女性を喜ばせています」



営業方針はお客さんを家族と思う。そして、業界が取りこぼしている消費意欲が旺盛な女性のお一人様を取り込むために、①~③を見直して、最後にファブリーズサービスをイケメンスタッフが行う。ファブリーズをかけるような発想が必要、といいたかったが、実際、長時間プレイすると服にたばこの臭いが付くので、そのまま使える。



何事も行動しないことには変わらない。





人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える





※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。コメントがエントリーになる場合もあります。