そんな金満中国企業が日本のホール企業を買収する計画が進行していた。結果からいうと中国企業側のバブルが弾けたために幻に終わった。
日本がバブルに踊っていた1989年から1990年にかけて、バブルマネーを手にした三菱地所がロックフェラーグループを買収したのを手始めに、松下電器がユニバーサル映画を、ソニーはコロンビア映画を相次いで買収してハリウッド進出を果たした。
日本企業による海外企業の買収劇に「アメリカの魂を買った」、「海外資産の買いあさり」と予想外の反発を招いた。
共産主義国の中国ではギャンブルはご法度だ。
それでも、賄賂が当たり前の中国では、役人に袖の下を使って中国の一部の地域にはパチンコ店があった過去がある。景品提供や換金も闇で行っていたが、摘発を受けて店はあえなく潰された。
中国企業のオーナーは、改革・解放が進めば、やがては中国で将来的にはパチンコ営業が許可されるのではないか、と睨んだ。
麻雀を編み出した中国。ギャンブル好きの中国人に、パチンコはぴったりの遊びだと思った。何より中国には存在しないギャンブルだからだ。
将来、中国でパチンコ店のチェーン店を運営するためには、パチンコ経営のノウハウが必要になると考えた。
ノウハウを吸収するには日本のホール企業を買収するのが一番手っ取り早い。買収する資金は潤沢にあった。仲介者を通じて、10店舗規模のチェーン店を運営するホール企業と友好的買収関係を持つまでに至った。
これを足がかりに、経営に行き詰っているホール企業をどんどん買収して、一大グループを形成する構想まで持っていた。
一時のような勢いがなくなったパチンコ業界であるが、一部のメーカーの羽振りのよさを見れば分かるように、粗利30~40%と製造業としては異例の収益率である。
このオーナーはパチンコ、スロットメーカーの買収まで考えるに至っていた。
計画はバブルが弾けたことにより、すべてが頓挫してしまう。昨年末のことだった。
客がほとんどいないホールでもなかなか潰れない。不思議にも思えるが、1店舗しかないホールオーナーはこう打ち明ける。
「借金さえなければ、平日1~2割の稼働でも十分やっていける。こんないい商売はない。うちは、敢えて繁盛店にはしない。繁盛店にしようと思えば、機械の投資も増え、人件費も増える。繁盛店ほど支払いがきつくなる」
こんな話を聞けば、中国人の金持ちの食指が動くはずである。
中国でやるなら、釘調整が不要な機械が登場してからでも遅くない。
それが何十年先になるかは分からないが。
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