パチンコホールにチラシ1枚作るのにも一家言持っている。
パチンコ客は次の5つの意思決定をしながらパチンコをする。
①今日はパチンコをするかしないか
②やると決めたらどこへ行くか
③どの機種を打つか
④どの台で打つか
⑤いつ止めるか
このうち、①は店外告知になるが、②から⑤までは店内告知となるが誰に発信している広告か分からない広告物が、パチンコ業界には多すぎる、という。
「店長は店舗運営のプロだが、広告のプロではない。制作するデザイナーはパチンコもやったこともなく、パチンコユーザーの気持ちも分からない。広告の素人とユーザー心理が分からないデザイナーが、デザインでかわすからおかしな方向へ行く。だからチラシの8割が同じような内容になっている。マーケットとお客のニーズが分かっていない」(同)
では、どんな手法でチラシを制作するのか?
「まず、ホールがある地域のことを勉強します。それからホールの企業文化、企業理念を把握します。そして、いよいよ機種をどういう手法で使うかに入ります。ラーメンにはみそ味、とんこつ味、醤油味があるように、どの味付けにするかで最終的にはホールのオリジナル性を出していきます」
今のホールのチラシが同じように見えるのはメーカーから提供された機械写真や広告素材を使って、ただ機械を並べているから違いがでない。
「私は撤去機種の理由を必ず聞きます。例えばハッピージャグラー。これが増台なのか入れ替えなのかで作る内容が全然違ってきます。そんなことはデザイナーも聞きません。店長がデザイナーに指示するのは、『これで3パターン作ってこい』。だからレベルがどんどん下がっている。意味のないチラシを作るのなら、チラシ屋に頼まないで、店長がイラストレーターを作くれば安く上がる」
話はチラシだけに止まらない。
「新規出店しても連戦連勝のホールは、イベントはすべてつながっていると考えている。そのホールは日本一公平なホールと思ってもらうために、全台ボーダーを回している。パチンコ自体には波があるので、好調、不調の台も全部教える。その中からお客さんに台を選んでもらう。後は運次第。店が『きょうはこちらのコーナーがお勧めです』といわれて負けたら店のせいにする。自分が取捨選択したら台を選んだのは自分なので、不満足度が減っていく。責任を自分に転嫁させるためにも必ずお客に選択させることが重要」
話があちこちに飛ぶが、同じ広告を作るなら、10万円のチラシ制作費をかけても10万円以上の価値が出るチラシを作ることができる制作会社と付き合わなければいけない、ということだ。

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