現実と理想のギャップは必ずあるもので、新入社員は避けて通れないが、これを乗り越えないことには一人前の社会人にはなれない。
五月病にかかった息子を心配している親御さんがいる。父親はメガバンクの支店長だが、息子を甘やかせて育てたため、大学の成績はたいしたことはなく、就活で80社に蹴られ、たどり着いたのがパチンコ業界だった。
大手ホールに就職することはできたが、入社式で社長の訓示を聞いた時から、しらけきっていた。日増しに「夢も希望も持てなくなった」と辞めたがっている、という。
父親は「せっかく大学まで出したのに、ナゼ、パチンコ業界なのか」と息子を責めたが、学業を疎かにした結果でもあり、現実を認めるしかなかった。
「せっかく大学まで出したのに、パチンコ業界に入るとは…」
これは、業界が25年以上前に新卒採用を始めた当初からいわれてきたことで、25年経っても親御さんの心境は全く変わっていない。業界が右肩上がりの時代ならいざ知らず、斜陽産業とまでいわれる昨今、世間からパチンコ業界が認められ、就職先として憧れる業界にはほど遠いという現実である。
息子がパチンコ業界で働いていることは隠しているぐらいだから、こんな悩みを支店長という立場もあり、行内に相談する相手などいない。そこで人伝えに業界事情通のところへ相談の電話が入った。
25年前と今では、随分パチンコ業界は変わった。遊技機メーカーは相次いで上場を果たし、念願だったホールの上場もダイナムが香港市場で果たした。
ホールの建物も立派になり、接客サービスも随分向上して「業界は変わった」と思っているのは業界人だけで、世間の見る目は何ら進歩していない。
そこに立ちはだかる大きな壁が業界の収益構造だ。「負ける人で成り立つ」という構図は未来永劫変わらない。パチンコ業界に入って、まず、壁にぶち当たるところはこの辺りか。
自分たちが頑張ってお客さんを増やしていく、来店頻度を高めるということが、果たしてお客さんのためになっているか、という葛藤である。
日報でアンチから批判が多い、パチンコ依存症を増やすことにつながっている、としたら仕事にプライドは持てなくなる。
業界が新卒採用を始めた25年以上前から現在に至るまで、ここに蓋をしてきたから、世間がパチンコ業界を見る目が変わらないのではないだろうか。
で、父親の相談は「どうすれば、業界で胸を張って働けるようになるか」という内容だった。
この回答は業界関係者からコメントいただければ幸いだ。

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