筆者の実家も年々過疎化が加速している地方の島嶼部だ。地場産業も少なく、高校を卒業すると進学や就職で故郷を離れ、地元には役場や消防署へ就職した者が留まる程度だ。筆者が卒業した高校は、当時は5クラスあったが、今や1クラスにまで減少している。町は70~80代の高齢者で占められているのだが、その人たちも次々に鬼籍へ入り、お年寄りもいなくなってきている。
クローズアップ現代では、2040年には地方の衰退だけではなく、日本自体が縮小して危機的状況を迎える極点社会=日本全体の人口減少がさらに加速化⇒人口のブラックホール現象の実情に切り込んだ。
地方は高齢者の「年金」で経済が成り立っている一面もあるが、その地方で異変が起きている、という。地方の主要産業である介護や医療の現場では、高齢者が減ってきているため、採算が合わず、地方の社会福祉法人が、次々と東京で介護施設の建設を進めており、そこで働く若年女性も地方から東京へと移動しはじめているのだ。
ますます、都心部への人口が集中することで、地方の町の中にはいずれ誰もいなくなるブラックホール化が懸念されている。そうなるとあらゆる商売が地方では成り立たなくなる。
30年後の地方の衰退と共に、パチンコも衰退しないためにはどうすればいいのか?
答えは一つ。今いる顧客からこれ以上搾り取らないことだ。
ある地方ホールでの話。60過ぎの常連客は1円で打つことはプライドが許さなかった。ところが、あまりにも4円が回らないので、ついに限界に達した。
プライドを捨てて1円へ走った。
実際、遊べるので1円に嵌りかけたが、そのうち1円ではプラスになることが少ないことに気づく。何千円も使うと1円では取り戻せないことから、再び4円に戻ってきた。この常連さんは遊べることよりも勝つことに拘ったからだ。
ところが、暫くして姿が見えなくなった。競馬のインターネット投票を覚えて、そちらに嵌っていたのだ。
「競馬は100円から楽しめて、大穴もあるので、ハラハラドキドキする。今のパチンコにはこのハラハラドキドキ感がない。4円パチンコで4~5万勝つことを目標にしていたが、競馬は同じ感覚で遊べる」
パチンコを支えてくれている中高年層が、こうして違う楽しみを見つけてしまうと、戻って来なくなる可能性だって孕んでいる。
30年後の極点社会が訪れる前にパチンコ業界は手を打たないと、今を支えてくれている層からも見放されてしまうというものだ。

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