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無人学習塾という賭けに挑戦するホール企業

大学で経営学を学び、MBAも取得したホール企業の二代目社長が、いま新たな新規事業の立ち上げを計画している。選んだ分野は、これまでホール企業がほとんど手を出してこなかった「学習塾」だ。しかも、その形態は人を配置しない無人学習塾というから、業界内でも話題になっている。

無人と聞けばオンライン授業を想像するが、構想は少し違う。リアルタイムの生配信ではなく、あらかじめ収録した授業を生徒が好きな時間に視聴する形式だ。イメージとしては、Amazon Prime Videoに近い。カテゴリーごとに講座が並び、生徒は必要な科目や単元を選んで視聴する。

オンライン学習の最大のメリットは、通塾時間が不要になる点だ。場所に縛られず、全国どこからでも受講できる。塾側にとっても教室を構える必要がなく、家賃や光熱費、人件費といった固定費を大幅に削減できる。

経営効率という観点では、実に合理的なモデルだ。

授業を担当する講師には、知名度のある有名講師を招聘する計画だという。内容さえ良ければ、同じ授業を何度でも提供でき、規模が大きくなってもコストや手間はさほど増えない。いかにもMBAホルダーらしい発想だ。

ところが、話を聞いていて違和感を覚える点があった。

社長が今、最も力を入れているのは「授業を録画・流出させない技術」だという。画面キャプチャやスクリーンショットを防止するだけでなく、スマートフォンなどで画面を撮影できないようにする技術開発に、相当な投資をしているそうだ。

確かに、コンテンツ流出はサブスク型ビジネスの死活問題だ。

だが、そこに最も注力する姿勢には、本末転倒感も否めない。最大の価値は、技術ではなく授業内容そのもののはずだ。録画された授業を一方的に視聴するだけで、本当に学力は伸びるのか。その肝心な問いが、どこか置き去りにされているように見える。

コロナ禍では、リモートワークやオンライン授業が一気に普及した。しかし、コロナが明けると、対面の価値が再評価され、リモートを縮小・廃止する企業も少なくない。学習も同じで、「人が介在すること」の意味は想像以上に大きい。

無人学習塾は、経営としてはオイシイ。

しかし、教育として正しいかどうかは、まだ誰にも分からない。

合理性の先に、本当に「学び」があるのか。その答えは、数字では推し量れないところにありそうだ。



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