4円がダメなら頼みの綱はARTで5号機を牽引するスロット、というのは当然の流れだ。
それに伴い、何を入れて増台すべきかをスロット販社に打診したところ明確な答えが返ってこない。
かつてはアドバイスのキャッチボールがあったのに、それがまったくないことに苛立ちを募らせている。
もう1軒、別のホールオーナーもスロットコーナーを20台増台する予定で、メーカーの役員に次機種の販売スケジュールを問い合わせたところ、これまた明確な答えが返ってこないため、増台計画が足踏み状態にある。
いま、スロット販社は売る機種がないのが現状だが、それでもホールを繋ぎ止めたい営業マンは必死だ。
「次の機械は凄いですからね。コイン単価は3.5円で純増枚数は3枚ですから期待してください」と保通協すら通っていないのに空手形を連発する。
そもそも売る機械がないことは、保通協の適合率を見れば一目瞭然。
今年5月の型式試験実施状況は、パチンコが結果書交付61件に対して適合52件で適合率は85.2%と高い比率となっている一方で、スロットは結果書交付42件に対し適合15件で適合率は35.7%、と相変わらず低い。
「大手はダメもとで激しい機械をガンガン入れていきますからね。10本入れて1本通ればいいような覚悟ですよ」(スロット業界関係者)
この適合率の低さがスロット業界に染み付いている体質を如実に表している。
警察は一生懸命射幸性を抑えようとしているのに、スロットメーカーは今や純増枚数競争に走っている。
1ゲーム3枚投入してペイアウト率は40~50%で設定されていて、メダルは減るのが本来の姿だった。
ARTは通常ゲームではスランプをきつめにして、アシストの時に取りこぼしがないようにして、アシストの時に出すのがARTの仕様である。
1ゲームあたり2枚増えるということは、3枚入れて5枚の配当があるということで、スランプの飲み込みによる純増枚数は2枚が限界といわれていたが、ミリゴではそれが2.5枚になった。
それが今や純増枚数3枚を謳う機種まで登場している。
4号機が登場した時も最初は大人しいスペックだったが、だんだんエスカレートして最終的には4号機が撤去になった。あの時の4号機ショックをメーカーはすでに忘れてしまったかのようだ。
これで5号機のスロット人気を牽引してきたARTが販売自粛となればスロットの増台どころではなくなってくる。

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