民事再生の噂も囁かれているほどで、指揮命令系統も乱れている。
店の稼働も全体的によくない。店長はまともな給料ももらっていない。貧すれば鈍するとはまさにこのことで、店長が小遣い稼ぎのために手を染めてしまったのが設定漏洩だった。
手を組んだ相手が悪かった。
アウトローだった。
元々小心者の店長だった。
「設定漏洩を止めたい」と告げると「会社にすべてばらす」と脅された。一度アウトローと手を組むと簡単には足抜けできないのは常識であろう。
設定漏洩ができない社内監視体制も構築されていない会社だから、簡単にそんなことができたのだろうが、まさに指揮命令系統が機能していない証でもある。
その店長は会社にばらされる前に会社を辞めて、地方のホールでペーペーで働いている。
おカネに目がくらんで人生を棒に振る典型的パターンだ。
その泥舟状態のホール企業からヘッドハンティングの話が来ている人がいる。
普通なら、しりごむ以前に、歯牙にもかけないところだ、この人は違った。
誰も手を付けたがらない会社を立て直した、としたらたちまち業界で伝説を創ることになる。
再建させることに本当に自信がある人なら、むしろ腕まくりしたくなる案件であることに違いない。
どんな企業でも再生できる可能性はある。
大借金を抱えて倒産寸前だったJALが、民事再生法で借金を大幅に棒引きしてもらって、業績が回復して再上場するところまで持ち直した。
JALの場合、京セラの稲盛和夫名誉会長を会長に迎え入れ、稲盛流の経営手法を取り入れた。
新たな経営哲学は「全社員の物心両面の幸福があってこそ、安全も経営も確立できる」。社員の意識改革を稲盛会長が主導で行い、稲盛塾で幹部社員を研修して行った。
ホール企業の場合もしかり。
経営トップの考え方を変えるだけでなく、身内で固められている経営陣の抵抗勢力を排除しなければ、いくら現場が頑張っても業績は回復しない。
現場のモチベーションが上がるようにするには、改革を妨げる抵抗勢力を味方にするように考え方を変えさせるか、それができなければ排除するしかない。
民事再生に追い込まれたら、経営陣は総退陣して出直すしかない。

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