この時、もっと遊ばせられるように50個交換を考えたホールがあった。等価交換とは真逆の交換率だ。
そういう営業を組合に打診したところ、返事は「NO」。保守王国でもあったので組合で決めたこと以外のことをやるのは、足並みが乱れるなどの理由から反対された。
そこで公取委に相談したところ、すぐに動いた。
交換率を組合で決めているといるということは談合であり、独禁法違反に当たるということで、公取委が組合へ実態調査に乗り出した。
「組合の規約に交換率の取り決めはないでしょうね?」
あっさり、組合はすぐに白旗を揚げた。
この県以外でも交換率を組合で決めることは、独禁法違反に抵触することから組合の規約で縛ることはできなくなり、交換率の自由化の波が全国へ波及していくわけだが、50個交換は極少数派で、等価、高価交換に流れていく。
この時、最後まで抵抗したのが大阪だった。
大阪の場合は特殊景品の交換を財団法人・大阪 障害者母子寡婦福祉事業協会が一手に引き受けているため、交換率違反ホールは特殊景品を止める、という荒業で交換率を統一して来た。自由化を求めて第二組合ができたことで、大阪も自由化の波に抗うことはできなくなった。
今にして思えば、自由化がよかったのか、悪かったのかといえば、ある程度の規制はあった方がよかった、と思っている人が多いかもしれない。
交換率がバラバラな中での一物一価の問題である。
一物一価の徹底が何を意図しているのか、ホール現場が理解できていないから混乱する。
「ホールはどちらの営業が安定しているかで、一物一価の基準をどちらに持っていくかを選択せざるを得ない。今はスロットの方がパチンコよりもいい。スロットは5枚が主流なので、しかたなくパチンコもスロットに合わせるしかない。ホールはパチンコの等価を望んでやっているわけではない。一物一価という、理に適わない営業を強制させられているから、一物一価を徹底してから毎月膨大な損害が出ている。ホールはお客様のニーズに合わせた営業を模索してきたのに、なぜ、行政が営業方法まで口を挟むのか。貯玉再プレイの手数料も、手数料を取らないことが逆にお客様を痛めつけることになることを行政はまったく分かっていない」とは中小ホールオーナーの弁。
パチンコ営業には、交換率の差益と釘調整による利益の2つの収益構造から成り立っていた。
それが、等価や高価交換が主流になるに従い、交換益が薄くなり、釘調整による収益に比重が高まっていった。
それがスタートが回らない、というユーザーが最もストレスに感じることに帰結していった。
「再プレイの手数料も低価交換営業と理屈は一緒。低価交換だからスタートもブン回しできる。再プレイの手数料を取らないということは釘が絞まっていくことになる。年収200万円の一般大衆が増える中、最近の警察行政の指導は大衆娯楽とは真逆の方向にミスリードしていっている。大手だけが生き残ればいい指導としか思えない」
警察の指導強化の内容は20日に明らかになる。

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