それはイベントが禁止される前の前、ことし1月ぐらいの話しだった。
スロットイベントをやっていたホールで、万枚出している客がターゲットとなった。
万枚客にニセ店長が近づいていった。
「お客さん、なんでこんなに出しているのですか? ゴトされている可能性があるので、ちょっと事務所まで来てもらいませんか」と声をかけた。
客は万枚出ていることが、裏モノだったと思ったのか、素直に従いニセ店長に連れられて店外に出て行った。
てっきりゴト師が仕込んだ裏モノを自分が打ってしまった、と思い込んでしまったようだ。
事務所に連れて行くふりをして外に連れ出し、なんやかやと時間稼ぎしている間に、別の仲間が、この客のメダルを交換し、換金し終えるとニセ店長に連絡した。
時間稼ぎが必要でなくなったニセ店長は、何やかやと理由をつけてお客を解放した。
自分の台に戻った客は、メダルがないことにすぐに気づく。今回は没収されたのか、と一瞬思ったが、従業員を呼んで事情を説明しているうちに、なりすまし店長一味が企てた窃盗事件であることが分かる。
打っている本人でもないのに、メダル交換に応じた店側の落ち度もある。万枚客を店外に連れ出すことに成功しても、メダル交換さえ防いでいたら実害を出さずに済んだが、まさにこの辺りの盲点を突いたのがこの窃盗事件の特徴である。
出玉共有している店では、なかなかその見分けも付かない。
警察に被害届けを出した。
しばらくして、所轄から連絡があった。なんとこの店長なりすまし窃盗事案の犯人の手配写真が岩手県警から届いていた。
スロットコーナーの照明が薄暗いこともあって、店の監視カメラの映像からはその手配写真の男かどうかは判読がつかなかったが、なりすまし店長は全国を股に掛けて窃盗を働いている、ということになる。
玉箱泥棒は今に始まった窃盗事件ではないが、メダルに的を絞り、客を店の外に連れ出して、その間、換金するとは実に巧妙である。
しかも、単独犯ではなく計画的で組織的になっているところが怖い。
ホール側の防御策としては、当面は万枚客に店長になりすまして近づいていく客に目を光らせるしかない。
釘曲げゴトでワープからスタートにガンガン入るようにするローテクゴト同様、店長なりすましは、ローテクな窃盗事件ではあるが、ハイテクばかりが最近のゴトではない、ということだ。
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