震災による被害が少なかった仙台市内のホール関係者はこう話す。
「震災前に比べて稼働は10%アップしている。津波で流されて営業できなくなったホールがたくさんある。店舗が少なくなった分、お客さんが流れてきている。港に近いと漁業関係者のお客さんが多い。彼らはサラリーマンに比べて貯金もたっぷりあるので、遊ぶお金もある」
その店に最近、中年の女性が来店するようになった。問わず語りにその女性は店長に身の上話をするようになった。
その女性は津波で家族全員を失い、生き残ったのはその女性だけだった。これまでパチンコとは無縁の生活を送っていたが、ポッカリと空いた心の穴を埋めるためにパチンコを始めるようになった。
「ここに来ると何もかも忘れることができるんです。家にいても気持ちが塞ぎ込むばかり。パチンコで心の穴が埋められることが分かった。それがいいことか、悪いことか。たぶん悪いことなんでしょうが仮設に1人いるよりも気が晴れることは事実です。お金は保険金がたくさん入っているので今のところ困ることもありません」
被災地のホールではそういうお客さんが結構多いのかも知れない。
家族を亡くした人のところには保険金も入っているころだが、「あそこはいくらの保険金が入っているはず」と噂され、気晴らしに温泉旅行にも行ける状況ではない、という。
それなら身近で手軽なパチンコ、という選択になる。
店長は被災地でパチンコに代わる時間の潰し方を従業員に問いかけてみた。
「読書では心の穴は埋められない。何も考えずに打てるからパチンコには意味がある。そういう意味でもパチンコの代わりになるものはない」
被災地のホールでは、営業を再開したところ、あまりにも稼働がいいので1円を止めて4円に戻したホールもあったが、復興は長期戦のため、4円の稼働が再び落ちている、という。仕事がなければ貯金もやがては底をつく。
その一方で、大勢の人が亡くなったので東北では購買意欲も落ち込んでいたが、半年以上が経過して新車やブランド品が売れるようになってきたそうだ。我慢していた購買意欲が復活してきた表れだ。
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