思い起こせば、CR機が登場したのは警察の力技だった。
自民党の平沢勝栄議員が警察庁の保安課長だったころ、業界の不透明だった売上げをガラス張りにすることと、警察官僚の天下り先を確保するために、半ば強制的にパチンコ業界に押し付けたのがプリペイドカードだった。
導入の賛否を巡って全遊連は分裂、解散。
賛成派が新たに全日遊連を組織すれども、遅々として進まないプリペイドカード。新たな設備投資を必要とするだけでホール側に何もメリットがないのだから、進むわけがない。
当時は新築開店ラッシュだった。カードを導入していたら営業許可はスムーズに下りたが、導入していないと申請書類はいつまでも受理されることはなかった。
業を煮やした警察が、業界にぶら下げたニンジンがCR機だった。CR機の1号機は話題性だけ導入に弾みはつかなかったが、西陣のCR花満開が登場してから、一気に業界の流れが変わった。
それまでプリペイドカードに反対していたホールも、花満開欲しさに導入を競ったほどだ。
警察の思惑はズバリと的中する。
しかし、射幸性の基準を巡っては現金機とCR機のダブルスタンダードが問題にもなった。一方では射幸性を抑えながら、一方では射幸性を煽ることを認めてしまったのだから。
そもそも、プリペイドカードが業界に導入されていなかったら、ここまで市場規模が大きくなっていたかどうかは分からないが、適度な射幸性の大衆娯楽として業界は発展していたかもしれない。
プリペイドカードの功罪でいえば、罪の方しか思い浮かばない。
まずは偽造カード問題。公表された偽造被害は650億円だが、そんな数字では済まないだろう。これで裏金を作って大きくなった会社もありや、なしや、と。
これに激怒した三菱商事はカード事業から撤退すると共に、三菱銀行はパチンコ業界への融資を断った。
射幸性の高いCR機が主流になるにつれ、ユーザーの使用金額も一気に膨れ上がり、娯楽の範疇を超えてしまった。
健全化の草案には、CR機で認められているものを、廃止してしまえば射幸性が削がれ、業界がクールダウンする、という寸法だ。
草案の中では業界が縮小したときのことも検討されている。
業界が縮小すれば当然納税金額が減る。さらにパチンコ機器は電子部品の塊なのでそうした分野の産業を支えている。
つまり、縮小による経済的デメリットもあるが、国民の生活を優先させる大義名分でこの草案を突破させよう、ということのようだ。
民主党は業界的には有利な政党だが、先は長くはない。
メーカーの上層部は、そんな動きは察知しているようで、すでに逃げ道を作った機種が登場している。
政権が再び交代した時に、パチンコ業界にとっては好ましくないことが起きる可能性がある、ということだ。
野党となった政党が考える健全化は、換金を止める方法ではなかった。
ただ、射幸性を落とすことがすぐに業界縮小へつながるのか?
スロットではこんな歴史を辿っている。
いわゆる無法地帯だった0号機時代は、800枚出ていたものを1号機では350枚まで落とした。射幸性を削がれて、スロット関係者の誰もがスロットは終わった、と思った。
いざ、蓋を開けてみると、0号機時代で10万台を切る水準だったものが、射幸性を落とすことで30万台にまで拡大した。
さらに、ロムが代えられないように基盤にケースをして、封印までした1.5号機。射幸性も抑えられ、スロット関係者は再び終焉を予感したが、60万台へ市場は拡大した。
4号機から5号機移行した時も、一時的にファン離れは起こったが今は復活している。
つまり、射幸性を落とすことは、より大衆化するのでファンの裾野を広げる効果があることも否定できない。
射幸性を落とす業界の健全化は、ファンの裾野を広げるチャンスである。
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