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ダイナム上場の温度差

ダイナムがホール企業として業界初の株式上場を香港証券取引所で果たして1カ月余りが経過した。株価の推移はこちらを見れば分かる。



ダイナムが香港市場を選んだ理由として、世界基準の評価が得られること、将来的に中国を含むアジアへの進出を考えていること、優秀な人材と情報が集まる場であることの3点を挙げた。資金調達した約160億円で、日本国内に75店舗をオープンする予定だという。



日本で株式上場するには、最大のネックとなっているのが換金の3店方式だ。これが極めてグレーゾーンなために、投資家保護の意味合いなどもあって東証や大証は、ホール企業の株式上場の申請を却下してきた。



ダイナムが海外市場に風穴を開けたことにより、香港市場で株式を上場するホール企業が後に続くものと思われる。



業界内からも色々な声が聞こえてくるが、経営者の反応は意外と冷めている。



「日本で上場しないと何の意味もない。日本で上場する努力をして欲しかった」



「株式上場には莫大な創業者利得が転がり込んでくることが、何といっても一番の旨味。真の目的はそれではなかったのか?」



日本で上場するためのネックは、極めてグレーな換金問題だけではない。



機械の型式試験を行う保通=警察の問題も潜んでいる。



保通協で許可された機械が、警察のさじ加減で突如使えなくなる理不尽なできごとが過去何度かあった。認可された機械が使えなくなることは経営にとって大きなマイナスである。



しかも、最近はパチンコホールの営業には欠かすことができない釘調整まで、「無承認変更」に当たると声高に叫ばれる状況である。



実際、釘調整なしで営業しているホールなどはないわけで、ダイナムは今後、釘調整なしで営業をするというのだろうか? 未承認変更で摘発されれば、一発で営業許可取り消しとなり、株価は大暴落する。



やはり、日本でこうしたグレーな問題を法整備して、日本で上場するのがベストな姿だろう。



日本の証券関係者も東証をすっ飛ばして香港に上場されたことで、無念さを噛みしめている。



パチンコホール企業の株式上場は、日本に残された最後の大型案件で、大きなビジネスチャンスを香港に奪われた形だ。



ところが、現場の反応はダイナムの上場を好意的に見ている。



「どこの市場でもいいから、上場して欲しかった。香港で認められたことに意味がある。オーナーは自分たちが上場できないので、嫉妬して、批判しているだけ」(関東・ホール店長)



従業員を率いる店長は部下から「この業界はこの先よくなりますかね」とよく聞かれる。



パチンコ業界で生きていく覚悟を決めた以上、業界がよくなって欲しい。



パチンコ業界で働く以上、希望を見出したい。



それがダイナムの上場であった。



「胸を張って働くには、やはりダイナムの上場は大歓迎。少しは業界に希望が持てるし、部下にも説得材料の一つができた」(同)



経営者はダイナムの上場に嫉妬するのではなく、従業員が希望を持って働ける業界環境を整えて欲しい、ということのようだ。



ダイナムに続くのはどこ?





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