パチンコ日報

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2100台の挑戦

1000台でも十分巨大な店舗なのに、さらに倍の2100台、というとてつもない巨艦店が4月25日、名古屋市北区にオープンした。善都が経営する「ZENT名古屋北店」がそれ。2100台は日本最大級の規模となった。





パチンコ業界で2000台クラスの巨艦店がデビューしたのは、1996年の「ノースランド山室店」まで遡る。“前人未到”の2000台の理由を澤田オーナーは「1000台、1500台ならすぐに抜かれる。2000台なら誰も追い越せない」と語っていた。今から18年前は常識外れの規模だったが、店舗が巨大化する流れの中で、2000台クラスのホールが福岡や埼玉でオープンする。



しかし、それはまだ1パチが主流になっていなかった時代の話である。全国的に4円パチンコの稼働が低迷する中での2100台は、別な意味でのチャレンジでもある。



同社は14年前に総台数1040台の木曽川店をオープンしたのを皮切りに、これまで1000台クラスのホールを11店舗運営している。既存店の中では岡崎インター店が1526台で最大級だったが、名古屋北店を立ち上げるにあたり、日本一の台数、という意識が芽生えるようになった。



2100台の内訳は4パチ850台、1パチ356台、20スロ778台、5スロ116台、という陣容。パチンコとスロットの比率、1パチ、5スロの比率には苦慮している。



驚くのは台数だけではない。パチンコを核に本格的な複合店舗としての機能を併せ持っていることだ。



テナントを列挙してみると、パチンコ店では全国初の出店となったコメダ珈琲を筆頭に、愛知県人のソウルフードともいえるスガキヤラーメン、コンビニはサークルK、クリーニングのホワイト急便、花屋、託児所までが一つの建物の中にある。





パチンコをしない近所の人にもテナントをどんどん利用して欲しいという願いが込められている。それをきっかけにパチンコ店の中に足を踏み入れてもらう狙いもある。



テナント名を見て分かるように、いずれも本社は愛知の企業。地域社会と共に歩む善都ならではの選択ともいえる。



ホールコンセプトは「創造」。パチンコのイメージを刷新するために美術館のように、威風堂々とした美しい建物をさらに引き立てるのが、屋外に設置されている「ウルトラ・サン・チャイルド」(全長6メートル)だ。





これは、現代美術作家の第一人者であるヤノベケンジ氏の作品で、未来の子供のための希望のシンボルとして恒久設置されている。さらにヤノベ氏とビートたけし氏とのコラボレーションが実現した「ZENT ART MUSEUM」も併設され、ビートたけし氏が原画を描いたステンドグラスなどを展示している。また、ギャラリースペースには先進気鋭の若手作家らの作品も積極的に展示していく予定だ。



店舗施設では最も力を入れたのが女性客を意識した設備。筆頭は化粧室だ。トイレというよりもパウダールームと言葉がピッタリのように広くて清潔感に溢れている。写真を見ても分かるように、床にはカーペットが敷かれ、ここがトイレとは思えない。





さらにレディースラウンジは、文字通り男子禁制の女性専用の休憩室。高級マッサージチェアが2台設置されているが、男性客の目を気にすることなく使える。





ZENTチェーンでは今や標準装備となっているワインセラーには500種類、1600本のワインが取り揃えられている。ワイン好きには掘り出し物を探すだけでも楽しいスペースである。





「アミューズメントのNEXT」への挑戦はまだ始まったばかりだ。





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パチンコチラシ論

「広告宣伝費は売り上げや利益を上げるものと考えています。従って100万円の広告費をかけたら、100万1円でも儲かることが前提で、それができない広告は詐欺。POPやポスター1枚で100円でも売り上げが上がることを考えて作っています」といいきるのは、パチンコ業界の広告プランナーだ。



パチンコホールにチラシ1枚作るのにも一家言持っている。



パチンコ客は次の5つの意思決定をしながらパチンコをする。



①今日はパチンコをするかしないか



②やると決めたらどこへ行くか



③どの機種を打つか



④どの台で打つか



⑤いつ止めるか



このうち、①は店外告知になるが、②から⑤までは店内告知となるが誰に発信している広告か分からない広告物が、パチンコ業界には多すぎる、という。



「店長は店舗運営のプロだが、広告のプロではない。制作するデザイナーはパチンコもやったこともなく、パチンコユーザーの気持ちも分からない。広告の素人とユーザー心理が分からないデザイナーが、デザインでかわすからおかしな方向へ行く。だからチラシの8割が同じような内容になっている。マーケットとお客のニーズが分かっていない」(同)



では、どんな手法でチラシを制作するのか?



「まず、ホールがある地域のことを勉強します。それからホールの企業文化、企業理念を把握します。そして、いよいよ機種をどういう手法で使うかに入ります。ラーメンにはみそ味、とんこつ味、醤油味があるように、どの味付けにするかで最終的にはホールのオリジナル性を出していきます」



今のホールのチラシが同じように見えるのはメーカーから提供された機械写真や広告素材を使って、ただ機械を並べているから違いがでない。



「私は撤去機種の理由を必ず聞きます。例えばハッピージャグラー。これが増台なのか入れ替えなのかで作る内容が全然違ってきます。そんなことはデザイナーも聞きません。店長がデザイナーに指示するのは、『これで3パターン作ってこい』。だからレベルがどんどん下がっている。意味のないチラシを作るのなら、チラシ屋に頼まないで、店長がイラストレーターを作くれば安く上がる」



話はチラシだけに止まらない。



「新規出店しても連戦連勝のホールは、イベントはすべてつながっていると考えている。そのホールは日本一公平なホールと思ってもらうために、全台ボーダーを回している。パチンコ自体には波があるので、好調、不調の台も全部教える。その中からお客さんに台を選んでもらう。後は運次第。店が『きょうはこちらのコーナーがお勧めです』といわれて負けたら店のせいにする。自分が取捨選択したら台を選んだのは自分なので、不満足度が減っていく。責任を自分に転嫁させるためにも必ずお客に選択させることが重要」



話があちこちに飛ぶが、同じ広告を作るなら、10万円のチラシ制作費をかけても10万円以上の価値が出るチラシを作ることができる制作会社と付き合わなければいけない、ということだ。







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ある喫茶店のオーナーの悩み

久しぶりで旧友が経営する地方都市の小さな喫茶店に実弟と二人で立ち寄った際の話。



地場産業として代表的な産業もなく、決して活気があるとは言いづらい人口四万人弱の典型的な地方都市の市街地。



ファミレス、ファストフードに押されて周りの喫茶店が次々に廃業した中、友人は細々と30数年、この店を続けている。



そして、彼も還暦を過ぎ、髪の白さが目立つようになっていた。



朝9時、開店と同時にお店に入り、窓際の外光の入る四席のテーブル席を二人で陣取りモーニングセットを注文した。



マスターである友人が水と灰皿を持ってきてくれた。そして一言「朝はお客さんが少ないから構わないけど・・。貼り紙やってないけど、ここ禁煙席なんだ・・」



「えっ!?、じゃぁ、どこの席が喫煙席?」私は聞き返した。



「んーん、一応、カウンターとその後ろとあの先、なんだけどねっ」友人は申し訳なさそうにそちらへ目線を向けました。



「じゃーそっちへ移るよ、俺達は煙草吸うからさ」と私。そしてカウンターのすぐ後ろの二席の小テーブルに移ろうとした。



「いやぁ~、いいよここで。まだ早いから・・」と友人は言った。



「見ての通りエアーカーテンがある訳でもないし、スペースを区切っているわけでもないし・・」



言葉を続けた。



「こんな14・5席しかない小さな喫茶店で分煙なんて無理だしなぁ~」友人はぼそっと呟いた。



そこには、何とも悩ましい話だと云う表情があった。



友人から話を聞くとこんなことが起きているそうだ。



非喫煙者のお客さんが入ってくると「マスター、お店、煙草くさいね」と云うらしい。



そして、女性で嫌煙指向が強く臭いに敏感な人なら、一度入店後、帰ってしまうこともあるらしい。



一方、愛煙家からは「煙草を吸いたいからわざわざ喫茶店に来てるのに・・」の声も。



自分の好きな席に座って、好みのコーヒーを飲みながら、しばし一服タイムを楽しむお客さんのニーズも根強くある。



大都市圏にある固定客もそこそこ居て、一見客の飛び込みも見込めるような喫茶店ならよいかも知れない。



また、喫煙と禁煙が分けられる広さのある喫茶店ならどうにか対応もできるだろう。



しかし、経済的な余裕もなく、日々ぎりぎりの売上でどうにか廃業せずに経営している地方都市の小さな喫茶店。



デフレが続き、景気の沈滞ムードをなかなか打破できない昨今。売上を支えてくれるお客さんを一人として失いたくないと云うのは本音。



そんな会話を友人としている最中、一人の中年男性がお店に入ってきた。つかつかっとカウンターに来て座った。



オーダーするでもなくポケットから煙草を出し、火をつけた。そして、煙を深く吸いながら安堵の表情を浮かべ、ふ~っと煙を吐いた。



「マスター、いつもの・・・」



煙を吐いた口から出た次の一言。そして、友人はその言葉を軽く聞き流している様子だった。



そのお客さんのオーダーに耳を傾ける必要も無かったのだろう。来店した瞬間に友人は視線を向けただけだったが、それで事は済んでいた。



巷のトレンドからすれば愛煙家は淘汰される運命にある。そして、嫌煙権なるものが闊歩する時代と言える。



しかし、零細も零細の個人事業主としては頭の痛い話がつきまとう時代なのだろう。



大手チェーンの居酒屋ならいざ知らず、地方都市の閑散とした市街地にある昔ながらの狭い喫茶店。



そこでの愛煙家VS嫌煙家の物語。そこで起こる権利の争奪戦は初老のマスターの悩みの種になってしまう。



「なんて言うかなぁ~、うちも廃業近いかもなっ、俺も年だし・・」

友人の言葉にある種の敗北感に似たものを、私は感じた。



「金もないし、俺も、煙草やめようかな~ぁ」



「そうか・・」



これが友人と交わした最後の言葉だった。そして私は実弟と二人でお店を後にした。







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優良店の基準とは

パチンコチェーンのネット広告だ。



異業種交流会の教材として、これを見てどのフレーズの店に行きたくなるかをパチンコをやったことのない人100人あまりにアンケートを取った人がいる。回答は45人。





















パチンコするなら創業65年の●●●●は共通した文言で、それ以外を各店舗が独自性を出している。



これは新聞の3行広告と一緒で、限られた文字数の中で、店の特徴を表現しなければならない。



この結果、一番人気は②番の広告だった。投票した人は「優良店」という文言に惹かれ、クリックしたくなった、という。



クリックするとピーワールドに飛ぶようになっているのだが、問題はここからだった。



実際にホームページを見ても何が優良店なのかがまったく分からない、というのだ。逆に分からないことが消化不良になった、という。



パチンコをやらない人からすると、優良店の基準が分からない。



優良店の基準を載せて、その一つ一つが優良店のレベルに達していることを説明しなければ、納得しない。その部分が欠落していると、マイナス効果にもなり兼ねない。



パチンコ店でいうところの優良店とは還元率ということになる。



ところが、これは目に見えるものではない。



ホールが粗利10%で営業しています、とも謳うこともできず、個人それぞれが勝ったか、負けたかで主観による判断となる。



唯一目に見えるといえば、玉箱の数やお客さんの人数で、出ているとどうかの判断をするしかないが、それは足を運ばなければ分からない。



体感で分かるものは、スタートの回転数だ。等価でも20回以上回れば、優良店といえるだろうが、いずれにしてもネットでは伝えられない。



とういことは、信頼のおける第三者機関が全国優良店ガイドを発行した方がビジネスになる?







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高齢者ドライバーとパチンコ

ある大手ホールでは郊外店の稼働が下がる理由を分析している。



その結果、明らかになってきたことがある。



それは高齢者のドライバーが一人、二人と櫛の歯が抜けるようにいなくなっていることが、稼働低下の一因と捉えている。高齢者比率が高い店舗では、今後も減り続けることは宿命である。



それを裏付けるような事件が起こった。



今はお年寄りでもケータイは持っている時代だが、84歳になる資産家のおじいちゃんは持っていなかった。ケータイは持っていないが、軽のワンボックスカーを自分で運転して、パチンコ店へやってきていた。



家族はおじいちゃんが毎日のようにパチンコ店へ行っていることは知っていた。



ある日おじいちゃんの家族から電話がホールに入った。



おじいちゃんに「家に連絡するように」との伝言をことづかった。 ホールに公衆電話はなかった。 遊技中のおじいちゃんに、そのことを伝えると電話をかけるために店を出て行った。



玉箱を置いたまま、おじいちゃんは4時間も帰ってこなかった。心配した店長はおじいちゃんの自宅に電話を入れた。



ホールに帰ってこない理由が分かった。



おじいちゃんは追突事故を起こしていたのだ。幸い、相手にもおじいちゃんにもケガはなかった。



おじいちゃんは4パチで6箱出していた。約3万円分はあった。



会員証を持って来て貯玉するするように伝えると、家族がやってきた。



「年だから運転しないようにいっていたのに、やっぱり事故を起こしてしまいました。困ったもんです」と愚痴をこぼした。



おじいちゃんは事故を起こしたことがショックで塞ぎこんでしまい、パチンコもできる状態ではない様子らしい、ということだった。



ところが、翌日、おじいちゃんは別の車で何事もなかったかのように店にやってきた。



家族が貯玉したことも忘れている様子だった。



しばらくすると、家族から「おじいちゃんは行っていませんか?」と電話が入った。



「いらっしゃっています」



「あ~」と絶句する家族。



次の日もおじいちゃんはやってきた。



今度は家族が追っかけてきた。



「免許証も取り上げたい。また、事故でも起こしたらどうするの! パチンコもできないように出入り禁止にして下さい」と懇願された。



そのやり取りを聞いていた常連客が「じゃ、あそこの店でやればいいじゃないか」と口を挟んできた。



おじいちゃんは「ワシはここでやりたい! ここはワシの棲家だ」と頑として譲らなかった。



この言葉を聴いて店長は悲しくもあり、嬉しくなってきた。



出玉だけではなく、自店を好きになってくれていることに涙が出そうになった。それと同時にこういうお年寄りのお客さんは、いずれいなくなることに一抹の不安も覚えた。



家族から車を運転することを猛反対されたおじいちゃんは、足がなければ好きなパチンコも打てなくなる。タクシーを使えばいいものだが、おじいちゃんは自分でハンドルを握ることに固守した。



その一件で、車の運転とパチンコを猛反対されたおじいちゃんは、家で半狂乱のような状態になった。



根負けした家族から「当分打たせてやってください」と電話が入った。



来てくれることはありがたいが、やはり車の運転は事故を起こしたばかりで不安は付きまとう。



その後新たな展開があれば、続報でお伝えする。







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