そのため個人的にローソンを利用する機会はほとんどないのだが、2025年8月現在、全国のローソンでクレーンゲーム設置店舗が1100店を超えたというニュースには驚かされた。まるで異次元の出来事のように思える。
ローソンがクレーンゲームを導入したのは2022年のこと。きっかけは、京都のある店舗オーナーの提案だった。コンビニで新たな顧客体験を提供することで、アミューズメント施設の少ない地域や、外国人観光客が多く訪れる観光地の店舗で集客力を高める狙いがあったという。当初は数店舗の小さな試みだったが、2024年から本格展開に踏み切ったところ、売上は目標を1.5倍も上回る好調ぶりを見せた。
この動きに業界人なら誰もが敏感になる。パチンコ日報でも、パチンコホールがクレーンゲームを併設したいという声を何度か取り上げたことがある。だがそれらは構想段階の話にすぎず、実際に実現した事例は乏しかった。しかし、ローソンの成功事例が鮮烈な刺激となり、今度は本気で導入を検討するホールが出てきた。
聞くところによると、当該ホールではスタッフをアルバイトとしてゲームセンターに潜入させ、クレーンゲームの設定ノウハウを学ばせているという。いかに「取りやすく」見せるか、どこで景品を落とさせるか、微妙な設定が客の心理に大きな影響を与える。そうした技術を吸収したうえで、ホールに設置する構想を練っているようだ。
狙いは明快で、新規顧客の開拓にある。クレーンゲームで利益を上げるつもりはなく、むしろ設定を甘くして「必ず何か取れる」くらいの体験を提供することに主眼を置く。話題性を演出し、「あのホールには簡単に景品が取れるクレーンゲームがあるらしい」とSNSでバズらせ、それを入口に一人でも多くの人をパチンコに誘導する算段である。
果たしてパチンコに興味を持つ人がどれほどいるだろうか。結局、遊技機ラインナップが従来通りなら意味はない。遊パチや甘デジといった低投資で楽しめる選択肢に自然と導く工夫がなければ、入口は入口のまま終わる。
とはいえ、成功するか否かはやってみなければ分からない。ローソンがそうであったように、小さな挑戦から始まり、それが新しい客層を呼び込む可能性も十分にある。ホール業界が縮小傾向にあるいま、既存の枠組みにとらわれず、新しい娯楽要素を取り込む試みは、たとえリスクを伴っても挑戦する価値があるだろう。
なにはともあれ、行動に移すことだ。挑戦の先にしか未来は開けない。
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