パチンコホールの就労人口は30.9万人。同規模の雇用としては鉄道業やクリーニング業があります。1店舗当たりの平均雇用人数は約26人(2012年時点、店舗数11,765店で試算)。娯楽業の中でも売上規模だけでなく雇用面でも大きな役割を担っており、多くの雇用機会を生み出しています。
これは2012年当時のデータだが、それでも30万人以上の雇用を支えていたという事実は重い。数字だけを見れば、同じ30万人規模の鉄道業界と同等の影響力を持っていたということになる。
ところが、わずか4年後には早くも陰りが見えてくる。あるコンピュータメーカーの業界資料によれば、総務省の経済センサス活動調査に基づく2016年のデータでは、ホール従事者は約22.9万人と報告されている。さらに2018年時点では、1営業所あたりの平均雇用数は27.1人。その内訳は、正社員が12.1人、パート・アルバイトが15.0人という比率だった。
つまり、2012年から2016年のわずか4年間で、ホール産業は8万人以上の雇用を失った計算になる。
そして2025年現在、全日遊連が発表した6月末時点での営業ホール数は5,855軒。この数字に平均雇用人数の26人を掛けると、全国のホール就労人口は約15.2万人にまで落ち込んでいる。
実にこの13年で、雇用人数は半減したことになる。
店舗数が減れば雇用が減るのは当然だが、影響は単なる数字の話にとどまらない。特に地方では、パチンコホールは地場産業の一端を担っており、地域の中高年層にとっては貴重な就業先となっている。若年層と比べて再就職の機会に乏しい中高年が職を失えば、それはそのまま生活基盤の崩壊につながる。
地方都市では、パチンコホールがコンビニと並ぶ“最後の雇用先”である場合も少なくない。ホールが閉店すれば、働き口が地域から一つ消えるというだけではなく、その街の消費や活気も目に見えて失われていく。
このまま斜陽産業として縮小の一途を辿れば、地方の労働市場はさらに痩せ細るだろう。
ではどうすればいいのか?
一つの方向性としては、ホールの多機能化が挙げられる。例えば、パチンコに加え、地域密着型のコンビニ、カフェ、コインランドリー、軽食提供といった“複合施設化”を進めることだ。生活に必要な機能をワンストップで提供できれば、単なる娯楽施設ではなく、地域の「生活拠点」としての新しい価値を生み出すことができる。
もちろん簡単な道ではない。しかし、ただ指をくわえて衰退を見ているだけでは、働く場所も、人も、地域も消えていく。
30万人産業が15万人産業へと縮小したこの事実を、単なる“業界の苦境”と片付けてはいけない。そこには確かに、生活があり、人生があり、地方の未来があったはずなのだから。
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