つまり、業界が生き延びるには新規ユーザー開拓が不可欠だが、現実にはその努力は見えない。むしろラッキートリガーのように射幸性を高め、既存のギャンブラーを刺激する方向ばかりが強化されている。メーカーの姿勢を見る限り、「新規層獲得」などとうに諦め、同じ客からより多く搾り取る戦略に傾いているようだ。
あるシンクタンク関係者はこう話す。
「Jリーグが誕生する前、日本のサッカー界は競技人口も観客数も限られていた。しかしJリーグができたことで一気に裾野が広がった。パチンコ業界にも、同じような大きな契機、いわば“パチンコ業界版Jリーグ”が必要だ」
長期予測はパチンコだけでなく、レジャー産業の王者・東京ディズニーランドでさえ50年後は厳しいと見立てている。
その理由の一つは入場料の高騰だ。家族で気軽に訪れるには負担が大きくなりつつある。遠方からだと交通費や宿泊費、食事代、お土産代を含めると、20万円以上は軽く飛ぶ。これではせいぜい年1回がいいところだ。
さらに近年の猛暑も深刻だ。40度を超える酷暑が各地で頻発し、夏休みという書き入れ時でさえ外出を控える傾向が強まっている。そもそも、炎天下でアトラクションに1時間以上並ぶのは苦行に近い。
子ども時代からディズニーに行かなくなれば、大人になってからも足が遠のく可能性は高い。これはレジャー産業全般にとって警戒すべき構造的リスクだ。しかも今後は人口減少と高齢化が進み、レジャー客そのものが減る。限られたパイを奪い合う時代に、差別化できない施設は淘汰されるだろう。
同関係者はこう指摘する。
「これからの夏場は屋内型レジャーが有利になる。その意味ではパチンコは条件を満たしている。しかし、現状は屋内型レジャーではなく屋内型ギャンブル場だ。もし業界が自らのJリーグを見つけ出し、遊技を純粋な娯楽へと転換できれば、人口減少時代でも利用者は増える」
要するに、未来を悲観するだけでなく、業界全体で発想を変える覚悟が問われている。設備や演出の刷新だけでは足りない。社会的評価を変えられる象徴的な改革こそ、衰退を食い止める唯一の道だ。
Jリーグがサッカーを国民的スポーツに押し上げたように、パチンコにも社会的な位置づけを変えるだけの“革命”が必要である。
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