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落選者ばかりが裁かれる選挙違反の皮肉

ハンドルネーム「選挙ウォッチャー」氏が今回の公選法違反を語る。

以下本文

選挙が終わるたびにニュースで目にするのが、公職選挙法違反による立件報道だ。だが、その顔ぶれをよく見てみると不思議な現象がある。なぜか「当選者」よりも「落選者」のほうが圧倒的に多く摘発されるのだ。

民主主義を守るための法律なのに、結果として「勝った者は守られ、負けた者ばかりが裁かれる」という構図が常態化している。

この背景には、まず捜査当局の事情がある。選挙期間中に強制捜査を仕掛ければ、「選挙妨害だ」と世論の反発を招きかねない。特に有力候補にメスを入れれば、当落に直結し政治的混乱は必至だ。警察や検察が「中立性」を守るために動きを抑え、結果として選挙が終わった後に捜査が本格化する。これが第一の理由だ。

さらに、当選者を摘発するとなれば政治的リスクが段違いだ。議員辞職や補欠選挙、政党への打撃まで含めれば影響は甚大である。権力を持つ現職議員に挑むのは、検察といえども慎重にならざるを得ない。一方で、落選者は議員バッジを持たず、政治的な求心力も失っている。立件しても大きな波紋は広がらない。まさに“リスクの少ないターゲット”なのである。

しかも、落選陣営は内側から崩れやすい。選挙が終わればスタッフは散り、支援者も離れる。不満を抱えた関係者が証言し、内部資料が流出する。結果として証拠は集めやすく、捜査はスムーズに進む。皮肉なことに、敗北したからこそ立件されやすいという構図が生まれているのだ。

こうした流れの先にあるのは、「落選者狩り」ともいえる光景である。もちろん、違法行為をしたのなら当選・落選にかかわらず処罰されるべきだ。しかし現実には、当選者に対する立件は極めて稀だ。つまり「勝てば官軍、負ければ賊軍」という武家社会さながらの価値観が、現代の選挙にも透けて見える。

選挙違反の立件が、社会に対して「取り締まっています」という見せしめの効果を担っていることも否定できない。世論に批判されにくい落選者を摘発することで、捜査機関は仕事をしている姿を示す。だがそれは、本来あるべき「公正な選挙」を守る姿とはどこか違って見える。

本来、選挙違反の取り締まりは「勝ち負け」に左右されてはならない。だが現実は、敗者ばかりが裁かれる構造が続いている。法の下の平等が看板倒れになっていないか。選挙が終わるたびに繰り返されるこの光景は、日本の民主主義の成熟度を映す鏡なのかもしれない。


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