普段はあまり見かけない客が大きく負け、その腹いせに店内で大声を上げて暴れ出したのであった。
投資額は約8万円。結果は単発が1回のみ。この負け方を見れば、怒りが込み上げる気持ちも理解できなくはない。しかし、問題はその矛先が従業員に向けられたことだった。大声で抗議を続けているものの、使われている言葉は中国語。内容は分からなくても、「負けたことへの怒り」だけは誰の目にも明らかだった。
念のため事務所で防犯カメラを確認すると、半日近く遊技しており、1万円札を何度もサンドに入れている様子が映っていた。8万円負けたという主張自体は事実に近い。しかし、それと返金要求は別問題だ。ホール側としては、これ以上事態がエスカレートしないか、機械や人に危害が及ばないかを警戒せざるを得なかった。
こうした言葉が通じない場面での中国人の強い自己主張は、ホールに限らず観光地などでも時折見られる。
ある家族が東京ディズニーランドを訪れた時の話だ。アトラクションの列に並んでいると、50代くらいの女性数人が目の前に割り込んできた。注意しても返ってきたのは中国語で、意図が伝わらないのか、列から退こうとしない。
その空気を変えたのは、同行していた小学4年生の娘だった。彼女はインターナショナルスクールの中国人の友達から覚えた中国語でこう声をかけたという。
「私には中国人の友達がいます。中国はいい国で、みんな優しいと聞いています。あなたたちは違うんですか?」
すると女性たちは、「自分は歩くのが遅いから、本来ならこの位置にいるはずだ」という独自のへ理屈を並べ、割り込みを正当化しようとしたという。
話をホールに戻そう。抗議は長時間に及び、内容は「負けた8万円を返せ」という趣旨に近いものだったと推測される。しかし、いわゆる“ごね得”を認めるわけにはいかない。店には従業員の安全を守る責任もある。
膠着状態を破ったのは、意外な人物だった。常連客の一人が、抗議を続ける客の脇を抱え、静かに店外へ連れ出したのだ。巨漢の人物は、かつてプロレスラーだったという。
これで一件落着かと思われたが、入口付近には後味の悪い“置き土産”が残された。脱糞で怒りと不満を最後までぶつけるような行為に呆れた。
この一件を受け、ホールでは翻訳機の導入を決めたという。外国人客が増える時代において、言葉の壁は無視できない。トラブルを防ぐために必要なのは、力ではなく、冷静な対話と準備なのだろう。異文化が交わる現場では、常にアップデートし続けることが求められる。
※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。