「このまま投資を続けても回収できる見込みはない。だからこそ、その時が潮時だ」と考えている。
かつてはオーナー自身、お客を集める自信を持っていた。しかし現在では、地元の商圏そのものにお客がいないという現実に直面している。
「魚のいない釣り堀状態で、これではどうすることもできない」と肩を落とす。
客足の減少が続く中、ホールでは会員に対してアンケートを実施した。その中で、ある常連客がこう書いていた。
「私はクルマで1時間かけてこのホールに通っていた。しかし、負けた後に1時間近くかけて帰るのが辛くなった。昔はそんなに感じなかったが、やはり負ける回数が増えたことが原因だ。しかも、昔は納得できる負け方があったが、今は負けると後悔しかない。負ける回数が増えたのは等価交換になってから。打つのを止めたら今ではどこのホールにも行かなくなった」
等価交換が導入された当初、業界全体は潤った。しかし、その反面、客離れが加速したのも事実だ。パチンコは射幸性が高くなればなるほど、短期間での消費金額が激しくなり、結果として客が長く遊ぶことができなくなる。業界関係者の多くはこの問題を理解しているが、それでも等価・高価交換を止められない。
理由は単純で、今、業界全体で低価交換に舵を切れば、残っているギャンブラー層が根こそぎいなくなる恐れがあるからだ。パチンコ業界はギャンブルとしての魅力を高めることで短期的な利益を追求してきたが、その結果として、長期的な客の定着を失うことになってしまった。
遊技人口が増加する要素がない中、大手チェーンですら非効率な店舗が増えている。特に地方では顕著で、商圏の縮小と高齢化の影響で、売上が右肩下がりとなっている。加えて、増税や景気回復の遅れが重なることで、赤字に転落する店舗が相次ぐことは避けられない。
このような状況下で、拡大路線を考えるホールはごくわずかだ。むしろ、前出のオーナーのように「行けるところまで行って廃業」という選択を視野に入れている中小ホールが多いのが実情である。
パチンコ業界に未来をもたらすためには、抜本的な改革が不可欠である。その第一歩として、等価・高価交換の見直しと高射幸機からの脱却が挙げられる。しかし、業界全体がこの問題に対して真剣に向き合う気配はない。
等価交換による短期的な利益に依存してしまった結果、遊技人口が減少し続けている。現在の業界の姿勢は、まるでゆっくりと沈む船に乗りながらも、誰も舵を取ろうとしないような状況に見える。
今後、パチンコ業界が生き残る道はあるのか。それとも、かつての賑わいを取り戻すことなく、衰退の一途をたどるのか。
いずれにせよ、今が業界の分岐点であることは間違いない。
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