パチンコ日報

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テレビからスマホへ「ながら遊技」の48年

昭和52年(1977年)、日本中が歓喜に包まれた。読売ジャイアンツの王貞治選手が、ベーブ・ルースの持つ通算本塁打記録を更新し、史上初の756号ホームランを放ったのである。この偉業を讃えて、王選手には第1号となる「国民栄誉賞」が授与された。日本人が世界に誇れる瞬間だった。

そんな記念すべき年に、パチンコ業界でもひとつの革新が起こった。西陣から「テレビ付きパチンコ台」が登場したのである。盤面中央にモノクロの小型ブラウン管が埋め込まれ、遊技をしながらテレビを楽しめるという、当時としては画期的なアイデアだった。


筆者はこのテレビ付きパチンコ台をリアルタイムで打った経験がある。とはいえ、基本的な構造はオーソドックスなチューリップ台で、テレビが付いているからといって特段面白みが増すというわけでもなく、「まあ珍しいね」という程度の印象だった。

しかし、この1台は、「パチンコをしながら何かをする」という、「ながら遊技」の源流を確かに感じさせる存在だった。

あれから時は流れ、時代は平成、そして令和へ。今、ホールを見渡せば、パチンコ台と向き合いながらスマホを操作している若者たちの姿が日常風景になっている。LINEの返信、TikTokの閲覧、YouTubeのながら視聴。遊技そのものよりも、手の中のスマホの方が主役に見えることも少なくない。

こうした利用スタイルに応えるように、近年ではスマホホルダーを台間に設置する動きも出てきた。ホール側も、いかに快適に「ながら時間」を提供できるかを重視するようになってきている。

この変化を遊技機メーカーが見逃すわけがない。すでに一部では、「盤面に縦型画面を内蔵し、ネット接続でTikTokやInstagramが見られるような仕様にすればいいのでは」という企画も上がっている。遊技そのものと映像コンテンツの融合──。もはや遊技機という枠を超え、メディア端末としての可能性さえ帯びてきた。

もっとも、そうした機能が実際に遊技機規則の中で実装可能かといえば、現時点では難しい部分も多い。風営法では遊技台をインターネットにつなぐことなど想定していない。実現には多くの課題が残るだろう。

しかし、かつてモノクロテレビを盤面に埋め込んだ発想があったことを思えば、48年後の令和のいま、スマホ動画を組み込むという発想が出てくるのは、ごく自然な流れなのかもしれない。

「ながら」というユーザー行動にどこまで寄り添えるか。パチンコは娯楽として、あるいは装置産業として、今も変化の中にある。かつて王貞治が記録を超えたように、遊技機の世界も、かつての常識を乗り越えていけるのだろうか?



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