北関東で400年以上の歴史を持つ老舗温泉旅館での話し。
繁忙期は素泊まりでも3万円から。これに料理を付ければすぐに4~5万円になる。
この旅館に都内から10回以上通っている常連客が、このほど初めて女将に自分の身の上を明かした。
去年はコロナで来られなかったが、今年は小池都知事の「東京から出ないで」を無視した。
「去年は売り上げが大変だった」と常連客は静かに口を開いた。
「何の商売なんですか?」と女将は踏み込んだ。
そこで初めてホール経営であることを明かした。
常連客は都内で10店舗以上を経営しているオーナーだった。
「それでなくても業界は縮小しているところにコロナだよ。ホール経営は経費が沢山かかるのに、お客さんが来なくなった。去年は休業要請にほぼ100%のホールが応じたけど、今年はクラスターが発生していないのでどこも営業している。でも、売り上げは4割も下がったまま」と愚痴を言い始めた。
このホール経営者は、年齢はそこそこいっているが2代目だった。
昔はホールの2階で従業員と一緒に生活していた。会社が大きくなって社長を引き継いだ。
「今ある店舗の半分は閉めなければならないよ…」
閉める店舗は自社物件ではなく、賃貸物件。家賃だけで月額500~1000万円かかる。値下げ交渉にも応じてもらえず、契約満了となれば閉店しかない。
こういう厳しい状況だから、3代目となる息子は「会社は継がない」宣言をしている。
「客単価は滅茶苦茶下がり、客は減る一方。うちの店長のレベルでは稼働は上げられない」と現状の厳しさをこぼした。
このホールに限らず、稼働がコロナ前に戻ったホールがない。
これまでは一番高い特別室に宿泊していたが、「これからは普通の部屋になるよ」と自嘲気味に話した。
都内の常連客がホール経営者であることを初めて知った女将は、閃いた。
「地元のホールオーナーが今日、宿泊しています。同じ業界なのでお話でもしてみますか?」と提案した。
女将の話に乗った。オーナー同士が会うことになった。
北関東のホールオーナーにすれば、東京の生の情報はなかなか聞くことができない。お互い苦しい立場にあるので、一発で意気投合した。
一緒に露天風呂に入るほど。
「ほかの業界誌と違って忖度しないで書いている」
温泉に浸かりながら出た会話で2人が情報源として読んでいたのがパチンコ日報だった。
オチはない。

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