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農業進出の具体事例 イチゴ栽培編

ホール企業が農業に参入するケースが増え始めた。公式リリースではマルハンが群馬県高崎市で野菜の水耕栽培と魚の養殖を組み合わせた循環型農業「アクアポニックス」により、今年10月からレタスやキャビアの生産を開始する。耕作放棄地の活用にもつながる。現地で雇用する障害者に作業を担ってもらい、持続可能な農業を目指す。

イチゴやメロンなどの付加価値の高い果物栽培を研究しているホール企業もあるようだが、10年以上前に「食の安全を通して地域社会に貢献したい」というオーナーの想いから農業法人を立ち上げ、イチゴ栽培と養鰻の2本立て、すでに市場に出荷しているホール企業もある。

このケースは既存の農業法人をM&Aするのではなく、素人集団がノウハウもないゼロからのスタートが興味深い。

イチゴ栽培を始めるにあたり、県の出先機関から指導を受けたり、直接イチゴ農家を訪ね栽培方法を聞いたりしたが、聞くのと実際にやるのは大違い。素人集団が始めたイチご栽培は失敗の連続だった。

1~2年目はイチゴと一緒にベビーリーフも栽培していた。特に葉物のベビーリーフは農薬を使わなかったので害虫に悩まされた。ベビーリーフの害虫被害がイチゴにまで及ぶようになり、ベビーリーフは打ち切る。その後ベビーリーフは青汁に商品化された。

3年目からは農薬を一切使わない方向を目指すも、出荷量が少なく、事業としては成り立たない状況が続いた。それでも無農薬で栽培する土台作りができてきた手ごたえを感じるようになった。

転機が訪れるのは5年目だった。外部から無農薬イチゴ栽培の経験者を招聘し、第2ラウンドがスタートする。

虫と病気。これは自然界を相手にしているのでどうしても避けられるものではない。世の中の菌をなくすことはできない。自然界を敵に回すのではなく味方につける。土の中の乳酸菌などの善玉菌を使って悪玉菌が暴れないように安定させるのが無農薬の特徴でもある。

年間の収穫量は2トンで推移していたが、無農薬農法のノウハウの成果が出てくると4トン、6トンと収穫量を増やしている。


普通に考えればハウスを増やせば収穫量は自ずと増えるが、ハウスの数は現状のままで収穫量を増やすことが重要である。

「苗を植える間隔。これは狭すぎても広すぎてもダメ。後は肥料のバランスと葉の状態を毎日管理することで収穫量を増やすことができるようになった」と担当者。ホール企業では常務の立場にありながら、農業では陣頭指揮を執る。

10年掛かって掴んだノウハウともいえる。農薬を使っていないので、洗わないでそのまま安心して食べられる。

一般的なイチゴは少し青く固い状態で出荷されるが、「完熟」をキーワードに市場を通さず、直接地元のスーパーやショッピングモールなどへ完熟状態で出荷されている。もちろん、ホールの景品としても人気となっている。



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