パチンコ日報

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総合商社の幻想

新卒を採用する場合、大手企業ともなるとまず偏差値の高い大学を優先に、それ以下は足切りされている、という。人物評価の前に高偏差値大学を偏重するのは、地頭がいいから、そんなにハズレがないという経験則があるからだ。平たく言うと一流大学にバカはいない。それが人事の鉄則だった。

ところが、地頭がいいからと言って優秀な人材に成長するとは限らない。IT、コンピュータ系のスタートアップ企業を起業する者の中には、二流の理工系出身者が少なくないのだ。

「一つのことに特化して自分の興味を深堀していく人材は、一流大学よりも二流の方が多い。いわゆるパイオニア精神を持ったオタクを発掘するのが、これからの人事の仕事。しかし、新卒採用の時はそれが見抜けないのが実情です」(大手総合商社人事担当)

この総合商社には高偏差値大学を卒業して、新卒で大手ホールに就職した転職組が在籍している。現在50代ということは、新卒を採り始めた初期メンバーだったことが分かる。ホール企業に就職した理由は、父親が他法人(ホール)の役員をやっていた関係もあって、大手のやり方を吸収する目的もあった。しかし、今から30年ほど前ともなると、当時は大手でもなかった。人事管理も超アナログ的なことをやっていて、ここにいては自分が向上できないと思って辞めた、という経緯がある。

で、この総合商社の事業部の一つが、ホール企業は再編成が起きて、業界は金のなる木と読んで、虎視眈々と業界参入を狙っている。

総合商社と言えば、警察庁の肝いりでスタートしたプリペイドカード導入時には、三菱商事、住友商事、三井物産、と日本を代表する商社が参入。偽造カードで煮え湯を飲まされ撤退して行った黒歴史がある。

「パチンコ業界は大手2社を併せても1000店舗もない。中小が大手に対抗して生き残るには、連合を組んで仕入単価を安く抑えることが必要になってくる。それは自分たちではできないので、第三者である総合商社が、利益を上げるための仕組みを作ることになる。中小をまとめ上げてメーカーと交渉しながら、商売の慣習を変えることができる」と自信を覗かせる。

それを踏まえて縮小していく現状にはこんな苦言を呈する。

「このまま廃れていくのはもったいない業界だが、余りにも儲かっていた時と同じ商売をしているから自らの首を絞めている。いうなれば、経済状況が変わっても自分たちのやり方を押し付けているから縮小し、規制を受けると警察には頭が上がらない。萎む業界を復活させる発想が業界集団にはない」と切り捨てる。

パチンコ業界の発想は業界が縮小すると規制緩和を求め、遊技機の射幸性を上げることしかない。連チャンして大勝ちできる遊技機至上主義がはびこっている。

「3000~5000円の投資で1万円で満足する人たちをパチンコ業界は切り捨てて行ったことに気づいていない。それが衰退の原因にも関わらず。1パチはそういう人たちの受け皿でもない。ゲームの課金を支えているのは、クレジットカードなどの決済方法。ゲーム課金者が手軽にパチンコへ来る仕組みを作ればいい。やり方を変える人材がうちでも欲しい。パイオニア精神があるオタクのような」

ということはまだ構想段階のようだが、ゲーム課金者をパチンコに向けるには、やはり仕組みを作るおタッキーな人材が必要と言うことのようだ。それが完成した暁には総合商社がゲームチェンジャーになるということのようだ。




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