そのホールの交換率は6枚交換を継続している。競合店が等価営業へ走った時、貯メダルの差額分をホールが負担したくない、という理由で交換率の変更を行わなかった。競合店が等価に走ったことで、スロット・パチンコ共に稼働は落ちたが、動かなかった。
オーナーの理由は明快だった。
「一度等価に走ると、5枚から6枚には戻せない。6枚交換だから設定も入れられる」という信念を貫いた。
4円から1円に落ちた客が二度と4円に戻れないのと同じで、スロットの交換率を頑なまでに変更しなかったことに、時代がやっと追いついてきた。
スロット客も等価でベタピン営業で事故待ちするよりも、設定が入っているホールには敏感に反応する。
「東京が脱等価に走った時、スタートもベースも等価の時と変わらないホールが多い中で、その分、スタートを必要以上に上げたホールはお客さんが付いている。都内でも等価に走らなかったホールの稼働は相変わらずいい」(都内ホール関係者)
出玉規制を受けた新基準機は、旧基準機のように爆裂することはなくなる中、4円のMAXは打てなくても1円のMAX機を打っていた客が今後どう動くか?
「爆裂機がなくなることでこれまで見向き去れなかった2円パチンコ、10円スロットが支持される可能性があります。それと非等価でスタートが回り、設定が入っている営業が見直されるでしょう」(メーカー関係者)
「そんなことをいちいち言われなくても分かってるわい!」と反論されそうだが、それができないから業界は遊技人口を減らし続けてきた。
「一度退場したお客さんは戻っては来ません。ホール数が減ればメーカーも当然淘汰されます。上位メーカーは新台を買わないホールは客と見做していないので、潰れてもいいと考えています。あるメーカーの計算では20年後のホール軒数は5500軒と試算しています。パチンコ業界に限らず、日本は人口減と高齢化社会になり、どんな業種もダメになってきます。だからこそ、新規客の開拓は必須ですが、パチンコ業界は大手でも新規開拓するノウハウがない。禁煙化は既存客が減っても、新規客を増やすチャンス。独身率が上がっているということはパチンコ客になり得るチャンスでもあります」(シンクタンク関係者)
そこで新規客開拓のためにメーカーにできることは、新規客が興味を持って遊んでくれる機械づくりだ。
これまではベースを低くしてもスタートを回す方法で凌いできたが、新規客は真っ白なのでおカネを使わずにパチンコの楽しさが分かる機械づくりとなる。
いずれにしても、等価仕様の機械ではそんなことはできない。遊技に戻るということは等価・高価交換からの脱却である。

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