タピオカミルクティーと言えば今、若い女性の間で大人気になっている飲み物だ。現在のタピオカミルクティーブームの火付け役となったのが、台湾の春水堂が2013年、東京・代官山へ日本初出店したことがきっかけだ。春水堂は台湾で45店舗を運営するお茶専門のカフェだ。
さらに、2015年には台湾のティーカフェ「ゴンチャ」が登場。2017年に台湾の「THE ALLEY」が日本に出店したことで、タピオカミルクティーブームが加速することになる。
業界誌記者がオーナーに紹介したのは、時系列からするとゴンチャジャパンが設立された頃だ。
タピオカミルクティーが大ブームになる前のことで、オーナーは試飲することもなく、この案件をあっさり断ってしまった。
改めてタピオカの凄さを聞いて「若者の気持ちが分からない私は経営者として失格」と猛省している。

店舗は基本持ち帰りスタイルで、1杯500円で1日500杯は売れる、という。
店は厨房と店先を含めて3畳ほどのスペースがあればいい。
魅力は利益率の高さで、500円で売れば450円が利益らしい。ミルクティーの原価が10円、タピオカが10円、一番高いのが容器代の25円。
人件費は2人で2交代でも1日4万円ほど。人件費を引いても1日18万5000円の粗利が出る。ラーメン屋をやるよりもずっと効率がいい。ラーメンは仕込みに手間暇がかかるだけでなく、店で座って食べるので回転率も悪い。
「あの時、フランチャイズ契約して5店舗でも運営していたら随分儲かっていた。今からでも遅くないという声もあるが、ブームになってやるのは嫌」(ホールオーナー)と二の足を踏んでいる。

タピオカミルクティーは茶色い液体に黒い玉が沈んでいるビジュアルだが、人気は“ばえる” だけでなく、若者のフラペチーノ離れも一つの要因とされている。スタバのフラペチーノは600円もするが、この高価なドリンクを飲む習慣が10代の女性にあったから、タピオカブームを生んだともいえる。
タピオカブームの到来を読めなかったオーナーは、ホール経営の方でも自信を喪失気味だ。
「今までのホール運営のやり方では若い新規客を開拓することはできない。若者の動向が読めないようでは、若者向けのことは口出ししないで、下に任せた方がいい」
ちなみにオーナーが経営する飲食店の方でも若者向けの業態はないそうだ。

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