その学生がパチンコ業界の将来予測を行った、という。
過去5年間に遡り、遊技人口や店舗数、客単価、客滞率の推移から新基準機のスペックなどネットで拾える各種データを打ち込んで、完全に新基準機に切り替わった後の売り上げ予測を立てた。
3分の2に出玉性能が抑えられた新基準機に切り替わった結果、売り上げは旧基準機時代に比べ、売り上げで22%ダウン、粗利に至っては37.5%ダウンという衝撃的な数字になった。
ホール側にとってはありがたくない数字だが、新基準機時代にはお客はおカネを使わなくて済むようになる、ということでもある。
粗利の落ち込みによってホールの投資マインドは相当落ち込む。その煽りを一番喰らうのは遊技機メーカーだ。ホールは機械を長く使い、買い控えはさらに加速する。
出玉規制で遊べるようになったことで、遊びたいユーザーは若干増えるかもしれないが、その分、ギャンブル志向のユーザーは離れる。
業界にとっての太客はパチンコからカジノへ流れていく。
では、遊技志向の客を増やさないといけないが、ホールは自らが遊技志向の客を増やす努力はしない。ホールが遊技人口を増やすことをしないので、さらに機械を買ってもらえる状況も生まれてこない、ということだ。
遊技客が増えないことには、一番割を食うのは日銭が入らないメーカーということになる。
牛丼業界の不毛な値下げ競争は、お互いの体力を失っただけで、デフレの象徴とまで揶揄された。それまで400円で商売できていたものが、280円の攻防となった。
4円パチンコから1円になったのと同じで、一度280円が当たり前になると、400円の店には戻れない。
不毛な値下げ競争から一足早く抜け出したのは松屋だった。吉野家とすき家は牛丼専門店のイメージが強いが、松屋はプルコギ定食やチキングリル定食で新メニューをどんどん追加することで、牛丼屋から牛丼もある定食屋に舵を切ることで、牛丼よりも客単価が取れるメニュー開発で値下げ競争から抜け出すことに成功した。
出遅れた吉野家は今年2月の連結決算で60億円の赤字で1人負けとなった。理由は食券を使わない時代遅れのオペレーションとも言われている。
松屋の例に倣うなら「パチンコもできる〇〇屋」に業態転換することで、遊技人口増やすヒントが見えてきそうな気がする。

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