パチンコ日報

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ナマポでもパチンコを打ちたいんや

裏流通を取材するために一般紙の記者が大阪・西成を訪れた。この地はホームレスと生活保護世帯が日本一多いとも言われ、犯罪とは切っても切れない土地柄でもある。

覚せい剤などは普通に売られ、警察署からわずか50メートルほどしか離れていない簡易宿泊所が密売拠点だったりする。西成のホールのトイレには覚せい剤を打った使用済みの注射器が落ちていることは日常の光景でもある。

記者の取材目的は薬物ではなく、医薬品や臓器売買ビジネスだった。

生活保護を受けると医療費がただになる。この制度を悪用して転売用に睡眠薬などを入手する。眠れないといえば、何の疑問も持たずに薬を処方する医者もいる。

こうして手に入れた睡眠薬は1シート(10錠)が600円ほどで闇市の店主に売る。仕入れた睡眠薬が、西成では1000円ほどで売買されている。

一方の臓器売買ビジネスは暴力団が絡み、闇金と生活保護ビジネスの2つのルートがあった。臓器売買ビズネスのブローカーは暴力団の息がかかった企業舎弟が務めるケースが多い。

西成には臓器売買のターゲットとなる貧困層に事欠かない。闇金で多額の借金を背負っている人が「借金をチャラにする」と持ち掛け、ホームレスや生活保護受給者に対しては、まとまったカネを餌に接触を図る。

角膜や腎臓の移植を望む人は一定の数がいるが、正規の病院ルートではなかなか順番が回ってこないため、そこに非合法ルートが介在している。

では、臓器がいくらぐらいで売れるのかといえば、角膜で10万円~50万円、肝臓や腎臓で200~300万円、というから驚くほどの高額でもない。

この取材の過程でパチンコ好きの生活保護受給者に出くわした。

「ワシらナマポといわれても人間やで。めし食うて、寝て、生きているだけならミドリガメと一緒や。ナマポでも美味しいもん食いたい。パチンコも打ちたい。そりゃ、4円パチンコを打っていたら非難されてしかたないが、ワシらが打つのは25銭パチンコやで。それぐらいやったら許したってえな。大当たりした時の出玉を楽しましたってえな。パチンコはほんま、ワシの生き甲斐や。ワシはミドリガメとは違うんや」

ちなみにスロットは一切打たない。やり方が分からない、目押しができない、という理由ではなく、スロットの低貸しと言えども1枚5円が高く感じるからだ。

西成暴動の時も沈静化にホールの出玉が一役買ったように、記者は西成からパチンコホールが消えたら治安がもっと悪くなることを確信しながら西成を去った。



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