昨年2月14日、福岡市のアイランドシティにオープンしたスーパー「トライアル」では店舗内に700台のカメラを設置し、映像をディープラーニングによって解析してマーケティングに利用する取り組みを開始している。まさにAIスーパーだ。
カメラの映像からは来店客の人数、属性(性別や年齢層)、移動経路などを把握することができる。また、顧客がどの通路を通り、どこの棚に立ち止まったのか、どの商品を手に取り、どれを棚に戻したのか、結果的にどの商品をカートに入れたのかを属性別に分析することもできる。
これに関しては一部のホールでは顔認証システムの導入によってゴト対策や顧客分析を行っている。さらには、のめり込み防止対策にも応用している。
ところが、パチンコ業界で顔認証と聞けばユーザーはすぐに遠隔操作に結び付けたがる傾向がある。
ピーワールド掲示板には次のような書き込みがある。
「俺の台は糞保留変化すら出ない。隣は当たりまくるし気分悪いから移動。移動した隣の台がすぐ当たり爆連。俺の台は糞保留変化も出ない。さっきまで何も起きなかった俺が捨てた台がやたら賑かになり当たり連チャン。顔認証で客ごとに収支操作されるようになって斜陽産業になった」と真顔で話す。
顔認証=遠隔と未だに信じて疑わないユーザーが少数ではあるがいることも事実だ。
AIスーパーの話に戻す。
POSは売れた商品を集計・分析するのには長けているが、それらの商品を購入するまでの顧客の購買行動まではこれまで把握することができなかった。トライアルではカメラとディープラーニングによる機械学習、解析システムを使うことで、これらを細かく分析し把握している。
最適な棚割り、棚位置の指定に機械学習をしたAIを使っている。商品発注もAIで高い精度で自動発注できる。
つまり、商品がよく売れる最適な棚割りを学習したAIが行っているということだ。商品発注も在庫を余らすことのない発注が可能になってくる。
スーパーの最適な棚割り、棚位置に対して、パチンコ業界ではAIの導入によってバラエティーコーナーの最適配列を導き出すということも始まっている。ただやみくもに配置するのではなく、配列によって売り上げが上がる組み合わせもある、ということだ。
AI導入によってやって欲しいことは稼働を上げることだ。適正粗利に対して最適な設定配分などもAIに任せたい。
抜くことしかできないオーナーはAIから経営者失格の烙印を押され、解任されそうだ。

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