メーカーにしても得意先の数が減ることは避けたいところだが、「のめりこみ防止」、「不正防止」の決定打として動き出した管理遊技機(パチンコ)、メダルレス遊技機(パチスロ)の流れを止めることはできない。
このメーカー関係者の会社ではホール軒数の底を最悪パターンで4000店舗、と試算している。上位ホールから残るホールを積算していくとその数字になるようだ。
プリペイドカードを普及させるために、CR機に確変を認めたように、管理遊技機を普及させるためには、ホール側のメリットがなければ、導入は進まないことぐらい誰でも分かる。それ以上に問題なのは普及させる前提条件として、CR機時代のようにホールの体力が残っていないことだ。
女性用トイレのトイレットペーパーは高級品を使っていたホールが、普通紙に戻してコスト削減を図っている現状で、メリットがない設備に投資する余裕はない。
加えて、ギャンブル依存症対策に取り組む真っ只中で、管理遊技機だけが出玉性能が緩和されることなどあり得ない。
では、射幸性でメリットをアピールできないとすれば、ホールがメリットと感じるのは何か? 射幸性を煽るギミックも取っ払い、機械代を下げることぐらいしか残されていない。
ここは警察当局がメーカーに対して管理遊技機、メダルレス遊技機については価格を下げる指導を願うしかない。
最初は通信機能が付いていることで外部からの不正が懸念される管理遊技機に反対していた警察は、依存症対策の切り札になるとして認めることになった。
依存症対策の観点からすれば、家族が行きつけのホールへ入場させないで欲しいと願い出ても、他の店に行けば意味のないこと。マイナンバー管理なら全国どこの店へ行っても遊技できなくなる。
カジノではマイナンバーカードで入場制限をかけることが検討されているが、公営競技やパチンコもマイナンバーが必須となれば、依存症対策どころか客そのものが来なくなる恐れがある。
依存症対策を徹底することは、カジノはもとより、公営競技、パチンコも含めて角を矯めて牛を殺すことになる。
「コンビニでタバコや酒を買う場合、年齢確認のタッチパネルを押すが、これも見た目の判断になる。コンビニでタバコや酒を買うのにマイナンバーが必要になるかもしれません。消費税のポイント還元もマイナンバーですから、普段からマイナンバーを持ち歩かないと生活できないことを国は考えています」(週刊誌記者)
パチンコにもマイナンバー必須時代は来る、ということなのだろうか?
パチンコ業界は大きな変化を嫌ってきた歴史がある。ホールにはメリットが感じられない管理遊技機をどうやって普及させて行くか、その手だてを上層部はきっと持っているのであろう。

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