そもそも役比モニターが搭載されるようになった背景には「検定機と性能が異なる可能性がある遊技機問題」があった。本来、パチンコ機は一般入賞口の入賞率が30%以上でなければならないが、メーカーがホールへ出荷した時点で、ベース30以上の遊技機がほとんど存在しない状態だった。
役比モニターについて日工組は、昨年7月27日、ホール5団体に対して、試験運用期間を設けることを伝えた。その間、できるだけ多くの性能表示モニターの市場データを収集し、十分な検証を行った上で適切な運用を開始したいとしている。
データ収集の実施者はパチンコ機を販売した委託業者を含むメーカー。新規則パチンコ機の特定部品の点検確認時などに、販売したメーカー、委託業者が自社機の性能表示モニターに表示される「bL」「b1」「b2」「b3」の数値を収する。
日工組では、試験運用期間中に収集した個々のホールのデータが外部に出ることはないとしていた。
試験運用が終われば、次は本格運用が開始されることになるわけだが、正式運用はいつからで、誰が行うかが関心事になる。今後はベース30を切っていたら警察に通報することになるのだろうか?
「正式運用は4月1日からです。チェックは従来通りメーカーですが、ベース30以下だからと言って警察に通報することはありません」(メーカー関係者)
これを健全化推進機構が担当したらホールは大慌てするところだが、役比モニターは何のために付けたの?ということになる。
この疑問を業界ウォッチャーはこう解き明かす。
「ベースモニター上で、仮に30%を下回った数値だとしても、それは『アウト6万個』での平均値。そもそも、遊技機とは『技術介入がある』と言う定義なので、数値の『下限ブレ』があっても致し方ない話です。今後、役比モニターは運用基準が無いのだが、『パチンコは運用基準が出来る』事になる。この違いは大きいです。一応、ホールへのプレッシャーにはなるし。運用に『メーカーからの通報の義務』が入らないのは、それを確認するのは、最終的に『管理遊技機システム』になるからです」
昨年7月に成立し、10月5日から施行されたギャンブル等依存症対策基本法では、毎年5月14~20日を依存症問題の啓発週間と定めており、今年は初の啓発週間を迎えることになる。
警察庁からもこの啓発週間に業界は、それ相応のふさわしい取り組みをすることを求められている。期間中は新台入れ替えを自粛すると共に、役比モニターの数値を公表して、健全営業に取り組んでいる姿勢を見せますか?

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