杉乃井ホテルは客室647室、従業員は約800人で、別府を代表する巨大ホテルの一つ。筆者が小学校の修学旅行で泊った思い出のホテルでもある。
10連休中は自由参加の海外研修を用意しており、シンガポール、マカオ、グアムの3つから選択できる。費用は会社が6割を負担する。
従来は大浴場や屋内プールの水を一旦抜くなどのメンテナンスのために5日連休を実施していたが、海外研修で5日間が終わってしまうので、10日に延ばすことを決定した。
10連休は昨年から開始し、今回が2回目。10連休とは何とも羨ましい限りだが、ここまで従業員を大事にするのはいい人材を確保する狙いがある。10連休を打ち出してからは採用の応募者が20%アップしている、というから一定の効果が出ている。
10連休を打ち出した理由を佐々木耕一総支配人は「お客様の満足度にひたすらこだわってきたが、社員の満足度にも力を注がないといけない。連休拡大は避けては通れなかった」と話す。
10日間も休業するということは当然、その間、数億も減収したようだが、「社員がリフレッシュできるなら、どちらを取るかは明白だ」と従業員の仕事に対する意欲の方を重視する。
杉乃井ホテルの英断に対してネットでは「休みが取りにくい業種にも広がることを期待します」と称賛する声が挙がっている。
休みが取りにくい業種と言えば、パチンコホールも例外ではない。これまでは他業種よりも高い時給や給料で人材を確保してきたが、おカネでは差別化ができなくなっているのも現状。むしろ、4円の稼働低下で低貸しにシフトして、収益構造が悪化する中で、人件費負担が重荷になっているホール企業も少なくない。
それなら、杉乃井ホテルに倣って休日を優先する方法は取れないものだろうか。
さすがにサービス業なので土日祝日は休めないが、月1回、平日を連休にするぐらいの思い切った施策はどうか。店自体を連休にすれば早番と遅番が一緒になって親睦を図ることができる。会社全体で泊りがけの慰安旅行なども実施できる。
一般的な会社では週休2日は当たり前の中で、月1回とは言え、平日2日間を店休日にすれば、優秀な人材確保にもつながりそうだ。

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