1番はゲームをするごとに必ず餌がもらえる。
2番はゲームをしても餌がもらえたり、もらえなかったり半々の確率。
3番はゲームをしてもまったく餌がもらえない。
で、この3つの中からチンパンジーが最も興味を示したものは何番か?
賢明な読書ならもうお判りのことだと思うが、正解は1番ではなく、
2番だった。
これは、賭け事に関する心理を、チンパンジーを使って実験したもので、ヒトにもそのまま当てはめることができる。
客はナゼパチンコするかといえば、チンパンジーの行動心理学からも分かるように負けるからパチンコするとも言える。人間は負けるとそれを取り戻そうとして、またおカネを突っ込む。
1万円負けていて、9000円取り戻したら、1000円負けているにも関わらず勝った気分になる。負けていてもまた行こうと思う。
流行っている店ほど出すときはバカ出しし、取る時はしっかり取る、というメリハリに効いた営業をしている。負けっぱなしではなく、必ず勝たせてくれる日もあるとの期待値が繁盛店にはある。
では、ナゼ遊技人口が減り続けているかといえば、今のパチンコ業界は3番の状態が慢性化しているからだ。1回も勝たせてくれないような店から客足が遠ざかるように、パチンコ業界全体が勝たせる雰囲気がないために、パチンコから足を洗う客が増えている。
3番状態を解消しないことにはパチンコ離れに歯止めがかからないが、1円主体の低貸し営業では思うようにバカ出しなんかできるはずもない。
新台入れ替えのコストを軽減して、その分、スタートや出玉で還元することを謳うホールがあるが、高交換率の現状では、ユーザーの期待値とはかけ離れている。そもそも40玉交換ぐらいにしないとその差は感じない。4円より1円の方がより回らないのが現状でもある。
今になって1円にシフトしたことを後悔するオーナーは少なくない。都内でも超優良ホールの低貸し専門店が閉店したことは象徴的な出来事だ。
では、どうすれば2番状態に持って行くかといえば、今の1円客を上のレートにステップアップさせることだ。いきなり、4円は無理。そもそも大手ですら4円の稼働を上げることはできない。
全国的にも成功例がない2円へステップアップさせるしかない。1円から2円へステップアップするだけで、ホールの売り上げは倍になる。
2円が成功しなかった理由は、4円と1円に挟まれて中途半端だった。1円は4円に比べて4倍貸し玉が出るお得感があったが、2円はそれも中途半端だった。
1円から2円にステップアップさせるには、客側からすると貸し玉が半分に減る、というデメリットがある。これを克服するには利益率を削ってでも玉を出すことだ。1円よりも2円の方が勝率がいいという体験をしてもらうことだ。
このまま低貸しでますますじり貧になるのを座して待つのか、2円に挑戦して現状を打開していくのか、業界は今二者択一を迫られている。
業界が知恵を出し合って、2円の成功事例を作ることが必要だ。

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