カジノ解禁はメーカーにとってはビジネスチャンス到来である。先日もパチンコメーカーが8Kの超高精細の全面液晶を使って、玉のないカジノ用パチンコの開発計画を進めていることを伝えたばかりだが、早くも暗雲が立ち込めてきた。
なにかとパチンコ業界に対してカウンターパンチを喰らわしてきた立憲民主党の高井崇志議員が5月9日付で「ギャンブル依存症問題の監督体制に関する質問主意書」を衆議院に提出している。
高井議員といえば、もはやパチンコ業界の天敵的な存在で、2016年4月27日の衆議院内閣委員会で「検定機と性能が異なる可能性のあるぱちんこ遊技機」の問題について質問に立ったことを皮切りに、メーカーの不正問題に切り込んでいる。
この質疑の中で、高井議員が不正改造防止のために提案したのが、ユーザーにも見えるように遊技機にスピードメーターのようなものを付けることだった。
「現在のパチンコ遊技機は、スピードメーターのない自動車だと例えられる。スピード違反していても、運転している人にはわからない。出玉がどのくらい出るかをチェックできない台が置かれていることがおかしい。著しく射幸心をそそる恐れのある遊技機の基準に違反しているかをユーザーが簡単に判別できる自動車のスピードメーターのようなモニタリング装置を付けるべき。こういう装置を義務付ける必要があると思う。メーターを付けることよってルールが守られ、ギャンブル依存症がなくなっていくことが、パチンコが社会的に認知され、業界の発展につながると考える。メーターの設置について前向きに検討いただきたい」
紆余曲折はあったものの、2月1日から保通協に持ち込まれたパチンコの新基準機は、このスピードメーターならぬ、役比モニターの搭載が必須となった。
野党議員だからといって無視することはできない。前置きが長くなったが、高井議員には新たな規則を作る実績がある、ということで今回の質問である。
高井議員はよほどパチンコメーカーがお嫌いなようだ。検定機と性能が異なる可能性のあるぱちんこ遊技機問題は、業界的にはとっくに終わった問題だが、高井議員の中では未解決事案だった。
2017年3月8日の衆議院内閣委員会において、松本国家公安委員長が「現在、警察は各パチンコメーカー報告を求めるなど、定機と性能が異なる可能性のあるぱちんこ遊技機が出荷された原因の調査を行っている」と答弁したが、未だに調査報告がないことにおかんむりだ。
問題はここからだ。
わずか3年前にパチンコメーカーが業界ぐるみで不正改造事案を引き起こしたことを考えるとパチンコメーカーのカジノ参入は言語道断とばかりに、政府の見解を求めた。
パチンコ業界の闇を追及する高井議員としては、パチンコメーカーのカジノ参入阻止に政治家生命でも賭けるんだろうか?
カジノへゲーミングマシンを納めるとなると、ライセンスの審査も厳しくパチンコ業界の常識は通じないだろうが、8kパチンコの夢の灯を消すな。

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