これはビジネスの世界でもよく使われる。世の中の流れの変化に対応できない会社は、生き残ることができずに淘汰されて行く——自己啓発系のビジネス書では定番のセリフだ。
「理不尽な進化 遺伝子と運のあいだ」の著者である吉川浩満は、ビジネス本の進化論は大ウソだという。これまで地球上に出現してきた生物種のうち、じつに99.9パーセントが絶滅したという厳然たる事実を突きつける。変化に対応したのではなく、運がよかっただけ。
自己啓発系ビジネス書が語る「適応」や「進化」は、自らの願望を社会や自然に押しつけているだけではないか、と切り捨てる。
今の日本を覆っている嫌な雰囲気の中に、サービス残業問題がある。この問題が一気に社会問題化されたのは、電通の新人社員が激務から自殺を引き起こしたことだ。これによって日本の働き方が問われるようになった。
日本の高度成長期を支えてきた団塊の世代は、「モーレツ社員」ともいわれたが、当時はサービス残業という言葉そのものがなかった。なぜなら、会社のための一生懸命働くことに疑問を持たなかった。
終身雇用制度によって定年まで安定して働ける前提があったので、身を粉にして働いた。愛社精神の下に皆が頑張れば、会社が発展して、それが給与にも反映されたからだ。
終身雇用制度が崩壊すると共に、愛社精神もなくなり、日本は色々な面でおかしくなっていく。
今や一生懸命働くモーレツ社員という言葉そのものが死語となっているが、そういう働き方が完全否定される時代になってしまった。
サービス残業はまかりならぬ。会社は残業代を払いたくないから、定時で帰らせることになる。こんな風潮で日本人が働かなくなったら、いいものができるのか?
タバコもしかり。高度経済成長時代は成人の喫煙率は70%を超していたが、世の中の健康志向で今や20%を切り、19.7%まで落ち込んだ。今や喫煙者は社会の片隅に追いやられ、税金の関係がなければタバコ=薬物扱いになる時代までやってきそうだ。
世の中息苦しい
最後に業界人のハンドルネーム「半人前」さんのコメントで締めくくりたい。
「業界の片隅で生活している者ですが…
ぶっちゃけパチンコ業界だけじゃなく、そんなに世の中綺麗にしたいんですかね?人間って。
別にパチンコ業界がホワイトだとも何とも思ってませんが、最近ちょっとした事で噛みついて息苦しくないですか?
誰かに言っているのではなく、世の中です。
多少グレーなモノや存在って人間が生活する上で必要だと思うけどな、と。
酒も飲めない。煙草も買えない。エロ本も買えない。パチンコも打てない。そんな大人になる前の少年達って、人間てそうやって綺麗な世の中の方が正しく育つのか?
逃げ道が無いから行き過ぎたいじめや薬に走る気もする。
大人も同じで、世の中綺麗になって住みやすくなるんですかね。
綺麗にすればするほど、人に余裕が無くなっている気がします。
ま、だからって違法が許されないのは承知してますが」

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