東京観光の定番スポットとなった築地は銀座にも程近い。築地から歩いて10分ほどで東銀座の歌舞伎座に到着する。日本の伝統文化を体験しようと外国人客も一幕見席(当日券)の行列に並ぶ。インバウンド対策として外国語のガイダンスを充実させいるので、初めての歌舞伎も理解しやすい。
築地や歌舞伎座は確実にインバウンドの恩恵を受けている。日本独自の文化であるパチンコを外国人観光客にアピールすることは、業界が抱える遊技人口減少に歯止めをかける重要なマターであることには違いないが、十分に取り込んでいるとは言い難い。
歌舞伎座前にある「ピーアーク銀座店」は、インバウンド対策にも積極姿勢を見せている。店頭にはトイレ、フリーwifi、写真OKのマークの他、店内で遊技した外国人の写真を貼り出している。

同店の前を毎日、たくさんの外国人が往来している。中には道に迷っている人もいる。そこで同店では2年半前から店頭で外国人に道案内する専属スタッフ(最低でも2カ国語対応)を常駐させている。困っていそうな外国人を見かけると積極的に話しかけ、困りごとを解決していく。中にはパチンコのことを聞いてくることもある。営業に直結する成果も上がっていることから、インバウンド客が新たなマーケットと成り得る手応えも感じ取っている。
ピーアーク銀座店以外でも外国人観光客が多い地区のホールでは、多言語でパチンコの案内を店頭に貼りだしているホールは少なくない。
せっかく、興味を持って店内に入ってきても、ホール側からのファーストコンタクトがあるか、ないかで初めてのパチンコ機会を逃しているケースもある。
インバウンド対策に簡単なあいさつができるだけでも、外国人客は反応が違う。日本人は中学、高校で6年間英語を勉強しているにも関わらず、喋ることが苦手で、話しかけることなどなかなかできない。
そこで、インバウンドに力を入れたいホール用に、デライト・コミュニケーションズ(安藤博文社長)から「ホールスタッフ向けの外国人のお客様対応シーン別教育DVD」が発売された。
DVDは英語と中国語の2枚組。

入店時の対応、遊技説明、カウンター対応、写真撮影時の対応をレッスン方式で解説する。覚えておきたい7つの基礎会話が収録されている。この7つの単語を覚えておくだけでも、積極的に行動が取れる。

入店時の対応

遊技説明

カウンター対応
「日本人は英語が喋れないので、最初からボードを指さしながらの対応になってしまいがちですが、これは英語圏のお客様からするとコミュニケーションで壁を作っていると受け止められてしまいます。ヘタでもいいので、一言でも話して伝えることが重要です。あいさつワードを二言三言喋るだけで、近寄ってきてもらえます。何よりも重要なことはファーストコンタクトです」(安藤社長)
パチンコ業界初のインバウンド用教材は、パチンコ業界での社員研修を行っている同社だからこそできたものともいえる。

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