パチンコ日報

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シャッター通りの本店を建て直したプローバの挑戦 前編

最近オーナーの悩みの一つに老朽化した店舗の建て替え問題がある。昔なら10年サイクルで改装をかけたが、老朽化した建物を解体して、新築するとなると、かなり慎重になる。採算性からしても回収できる見込みが薄いからだ。

大阪・ナンバで永らく営業を続けてきた「サンサン」と「プラザ」が更地になっている。



ここにはホテルが建つ予定だ。あれだけ高収益がウリだったパチンコホールは、賃貸物件ではドラッグストアーに負けている。ドラッグストアー側が提示する家賃の方がパチンコホールよりも高い。

広島県呉市で60年以上の営業歴を誇っていた「ニューヒカリ」は、老朽化した建物と相まって、シャッター通り商店街立地から客足も途絶えていたこともあり、廃業は既定路線だった。



ところが、店長の建て替え要望を聞いたオーナーの一言で流れが、建て替えに大きく舵を切る。建物は解体され、更地になった跡地に1年余りの休業期間を経て、7月1日、「プローバ呉店」が誕生。全館禁煙のパチンコ専門店として再スタートを切った。

「3階でラジオ体操でもしようものなら、床が抜ける心配があったほど。地震が起こるたびに建物が崩壊しないかといつも心配していました。2年前、水道管が破裂して、水浸しになってパチンコの天井が抜けました。お客様の安全、安心を提供できない。これで閉店は決定的になりました」と話すのは中野修社長。寂れる一方の商店街立地は投資対象ではない、と考えていた。

ところが、橋本克己店長はホールディングスの社長との対話会で「お客様にも安心で安全でない店では働きたくありません。店を建て直してください」と直訴した。

本店の存続を巡り取締役会が開かれたのは2016年1月。取締役会は4カ月間悩み答えが出てこなかった。呉市そのものの人口減が進んでいる上、商店街の老舗がどんどん店を畳み、空き地にはコインパーキングが点在している。

流れが一変したのはオーナー会長の一言だった。
「呉なくして、今のプローバはない。先代がお世話になった呉を捨てるのか?」
情で物事が動く場合もあるが、会社経営は情で流されてはいけない。大きな投資を失敗させるわけには行かない。

「2年前に山口県宇部市に居抜き物件で新規出店しましたが、プローバのブランド力も全く通用しない。知名度のないところに出店すると膨大なおカネがかかることも経験しました。その点、呉はプローバを知らない人がいない。知名度ゼロのところへ出店するよりも収益は立てやすい。私たちの想いが込められた店を作ろうという結論に達したのが5月でした」(中野社長)

一番反対していた中野社長も宇部出店の反省点を材料に賛成に回った。


つづく


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