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全館禁煙パチンコ専門で再スタートしたプローバの挑戦 後編


1年かけての再オープンプロジェクトがスタートする。中野社長が総責任者に任命したのは橋本店長だった。通常、新店計画は営業部・店舗開発が担当していたが、今回は敢えて現場を一番よく知っている橋本店長をトップに立て、その下に部長や課長が補佐する形でプロジェクトが進んだ。

「3年前に異動で呉に来た時、店の閉店は既定路線でした。それで、それまでの延命措置を講じてきました。椅子は背もたれもないぐらい古くて硬い椅子でしたが、これをうちのチェーン店で外した背もたれのある椅子に替えたりしました。それだけのことでも喜ばれましたが、スタッフとお客様の距離がものすごく近いことに気づき、延命よりも建て替えを考えるようになっていました」(橋本店長)

橋本店長は1年目で数字を作れる組織を作り、2年目で結果を出し、3年目で行動に移す計画を立てていた。実際、2年目で売上、粗利、販管費の部門で表彰されるまでになった。3年目で行動に移そうとした矢先に天井崩落事故が起きたため、急きょ建替えの提案書を提出した。

「従来はこれだけの粗利が欲しいから、これだけの投資をする。そのためにはどれだけの規模にするか、どれだけの売り上げにするか。短期でどう回収するかばかりを考えていました。その考え方では主役のお客様が抜けていることに気づきました」(中野社長)

パチンコ業界全体に自社の利益を最優先する考え方が蔓延しているといっても過言ではない。売り上げを求めるばかりに、高射幸性の遊技機を大量導入しては、お客の懐を疲弊させて来た。主役のお客が置き去りにされている。

中野社長が橋本店長に求めたのは具体的な客層だった。誰に何を売るのか? 従来の不特定多数ではなく、客層を限定する考え方を求めた。

橋本店長が出した結論は「高齢者の女性が喜び、過ごしやすい店」だった。健康にも気を使っている人たちに長く過ごしてもらうためには、全館禁煙とした。高齢者や障害者にも対応できるように社員は、ユニバーサルマナー検定2級の実践研修を受講した。若者はターゲットにしていないのでパチスロは併設せずに、パチンコ専門店とした。

総台数は248台。貸し玉料金は4円、1円、025円。損益分岐は従来の11割営業から14割営業へ転向。パチスロがないために一物一価の壁もなくスムーズに移行できた。

低射幸性営業に舵を切るに際し、コストの見直しも徹底的に図った。従来は台当たり200万円かかっていた建築コストを半分の100万円まで下げた。直接目に触れることもない各台計数機などは中古品を導入してコストダウンを図った。反面、椅子は業界初の低反発シートを採用。お年寄りが長時間座っても疲れない。




7月1日、「プローバ呉店」としてグランドオープンした。待ちに待った1年以上の再オープンにお客さんの方から「あんた元気にしとったん?」と従業員にハグする光景があちこちで見られた。

低射幸性時代に合わせて回収は通常の倍以上の長期に変更した。お年寄り相手に無理な営業はご法度だ。同社では損益分岐点を押し上げる機械代については、2013年から機械代は粗利の20%までと決めている。

パチンコ業界初の高齢者をターゲットにしたプローバ呉店は、高齢化が進む地方での一つの形ともいえる。パチンコは短期で回収できて大儲けできる商売という時代はとっくの昔に終わっている。オーナーは大儲けした時代が忘れられないが、オーナーの考え方を改めることが低射幸性時代のホール経営の第一歩と言える。


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