家庭用以上にインク代が高いのが、ホールが内製化している大判ポスターを刷りだす大型の業務用プリンターだ。家庭用が1本、1000円ほどに対して、インク容量も多い業務用は1本3万円ほどもする。

大型プリンターともなると多いものでは10色以上を必要とするものもある。これを全部揃えるとインク代だけで30万円もかかる計算になる。
髙い純正インクに対抗して、互換性インクとリサイクルインクがある。
互換性インクとは、純正インクの仕様を研究し、そのプリンターで使えるよう新たに製造されたインクのこと。カードリッジも含め、すべてが新品となる。
一方のリサイクルインクは使用済みの純正カートリッジを回収し、中に別のインクを補充したものだ。
互換インクとリサイクルインクの最大の特徴は、純正インクに比べてはるかに値段が安いこと。純正の半額ほどだ。消耗品であれば、あるほど安いことに越したことはない。
安い分、昔は「使ってすぐにプリンターが故障する」「ヘッドが目詰まりする」といったトラブルは今や都市伝説ともなっている。国内製造品は、確実に品質は上がっている上、発色も素人には判別できないレベルに達している。
パチンコ業界ではPOPのコスト削減を図るために内製化をす図るホールが少なくない現状を鑑み、プリンターのインク代のコストダウンを推し進めているのがヴァカボのリサイクルインクだ。
デジタルサイネージの登場でPOPの枚数は少なくなっている傾向だが、それでも大判POPの需要はなくならない。それなら、できるだけランニングコストは抑えられるところは抑えるべきだろう。
同社は1年前からリサイクルインク(国内製造)の販売を業界向けにスタートさせている。プリンターのICチップのデバッグ作業を完了した機種のみ対応しているので、自社の型番と照らし合わせて使えるかどうかを判断できる。

リサイクルインクは実機テストを実施しているほか、外部検査機関へ持ち込み、性能確認も行っている。品質に関して、インクがかすれる、色が純正と異なる、ヘッドが詰まりやすいという問題は解消されている。
ホール側の懸念材料はサードパーティーの製品を使った場合、メーカー保証が効かないことだ。現在、50ホールほどで採用しているが、トラブルは0.1%以下。つまり、保守契約を解除する選択肢もある。
メーカーによっては年間10万円ほどの保守料を取っているケースもある。日本は保守文化が根強いので、結果的に保険の掛け捨て状態になっている。実はこれが、メーカーの収入源にもなっている。長期間使って問題が起こらないのなら保守契約を解除することを検討することで、さらなるプリンターのランニングコスト削減にもつながる。
万一、不具合が起こってもサポートも万全だ。サポート窓口に連絡すれば、対処方法を教えてくれる。
テスト導入して問題がなければ、本格的に導入すればいい。全店に導入すれば、店舗数分の大幅なコストダウンが図れる。

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