パズドラ発売から3年目の2015年度の売り上げは、前年対比で下がったとはいえ、売上高1543億円、営業利益は724億円とパズドラ一つでこの収益を叩きだしている。
この売り上げと同等のクラスをパチンコメーカーで探してみると、SANKYOが該当する。同社の2015年度の売り上げは、1465億円なのだが、営業利益は132億円だ。スマホゲームメーカーとパチンコメーカーを比較すると、決してパチンコメーカーがぼろ儲けしているわけではないことが分かる。そりゃ、ハードを必要とせず、ソフトだけの方が利益率が高くなるのは当たり前だ。
単純なパズルゲームとRPGを融合させた「パズドラ」は、基本的に無課金でプレイできるが、魔法石というアイテムを購入することで、ゲームを有利に進めることが可能。しかし、ゲームを進めるなかで魔法石を入手できるチャンスはあり、無料でも充分プレイできるのが特徴だ。
ゲームシステムに対して「すごい」「奥深い」などといった意見はあまり見当たらず、むしろ「単純で簡単で手軽」といった意見が多かった。どうやら、誰でも気軽にプレイできる単純さこそが受けているようだ。
しかし、どんなに面白いゲームでも毎日やっていたら、さすがに人間は飽きてくる。ガンホーの森下社長はその対策を次のように話している。
「昔はサイレントマジョリティは何も言わないでその店から去っていきましたが、今のサイレントマジョリティーはSNSやブログを通じて不満の声をガンガン挙げています。これを1年365日、24時間見ながらパズドラのデザインやシステムを絶え間なく変えています。これがお客さんに飽きられないようにする対策です」
さすが、ネット社会を熟知した会社の対応といえる。
ユーザーの不満はSNSなどから拾い上げ、それを即座に解消している。パチンコ業界とは大きな違いだ。日報コメントにもユーザーの不満は毎日のように書き込まれている。メーカーやホールの上層部の人も日報は読んでいるはずだが、コメント欄までは読んでいないのかも知れない。コメント欄は改善策の宝庫といえるのに、改善される兆しがないことが業界の将来を暗示する。
業界がよくならない理由が理解できるのが、メーカーのこういう考え方だ。
メーカーは機械代を下げる考え方は毛頭ない。その理由についてある大手メーカーの関係者はこう話す。
「パチンコ離れが進んでいるが、今、質を落として機械代を下げれば、ショボい機械となって、ますますお客さんは打たなくなり、結果的には客離れにつながる。特にシリーズ作は前作よりもどんどん派手にしていかないと、売れないし、お客さんも打たない。それがエスカレートしたことは否めないがシンプルなものを作る考えはありません。騒音問題については台にボリュームをつけることで対策はしています」
殺人光線に対しては無回答だったが、価格を下げる=ショボい機械になるとの固定した考え方しかない。こういう硬直化した考え方しかないから今があるのだろう。
ま、パチンコ業界の機械メーカーは飽きられるから、次の新台が売れるぐらいにしか考えていない。メーカーにとってのお客さんは買ってくれるホールではなく、最終的には打ち手であるユーザーという意識改革から始めますか?

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