当時、自販機のコーヒーが120円でワゴンなら300円もする時代に、どうやれば、1人で1日に800杯も売れるようになったのか?
「お客さまがコーヒーを買うにはきっかけがあるはず。そのきっかけづくりをすればいい」と彼女は閃いた。さらに、自販機より優れているのは、自分には接客ができることに気づいた。コーヒーを売るだけでなく、自分を売ることに努めた。
販売するときは、1人1人に顔を近づけて相手が振り向くまでじっと待った。そして、客が振り向くと最高の笑顔を返した。
注文のコーヒーを持っていった時に、ここからコミュニケーションが始まる。空になったカップを回収するときにまた笑顔を返す。彼女には3回の接遇のチャンスがある。
お客にすれば、コーヒー1杯で彼女の笑顔が3回見られる。
一番の努力は客の顔と名前、好みをすべて覚えることだった。これをインプットすると「〇〇さん、きょうはよく出ていますね。いつものでいいですか?」と言葉をかけた。これを習慣づけて1日800杯売るようになった。
こういうレジェンドがいる一方で、客の顔面に機械的にメニューを突き出す注文の取り方をして、客から不評を買っているワゴンレディーも少なくない。
本来、サービス向上のためのワゴンサービスがこれでは本末転倒である。人手不足からワゴンレディーの質の低下に加え、ホールの稼働低下から、赤字に陥るコーヒーワゴン会社もある。
人の問題に悩まされることなく、美味しいコーヒーが手軽に味わえるのが全自動ドリップ式のコーヒーマシンだ。これが1台あれば、1杯ずつ挽きたて、淹れたての本格派ドリップコーヒーが味わえる。

ヨシムラコーヒーが提供するコーヒーマシンは、ホール側に設置費用やレンタル料、豆の購入費など一切負担がないことが特徴だ。それだけでなく、コーヒーマシンの保守メンテナンスの費用も一切かからない。コーヒー豆の補充は同社が行う。
売り上げの手数料がホールに還付される、ということは、店内に設置している飲料水の自販機と同じ感覚だ。
コーヒーマシンは水道工事を必要としないこともホールにはありがたい。コーヒーはレギュラーサイズで1杯200円。種類はレギュラーコーヒーのホット、アイスの他、アメリカン、ヨーロピアンが選べる。製氷機も付いているのでアイスコーヒーも提供できる。
ただし、条件がある。1日35杯以上コンスタントに売れるホールで、関西圏に立地すること。
各台計数機を導入しているホールでは、スタッフが注文を取ることで、売り上げを上げているケースもある。350台クラスの郊外店で平均3割稼働のホールで月間2200杯を売り上げている。

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