2013年6月には全日遊連幹部が日工組を訪れ、ECO遊技機のプロトタイプの視察も行った。
構想発表から2年余りが過ぎた2014年7月には全日遊連は条件付きで同意する決議になったが、同年9月には一転して、「遊技機及びシステムのコストダウンの可否」「現行遊技機を含めた遊技性の向上」「現行CRユニットの低価格での活用の可否」「ユニットを含めた通信方法の効率化の方法論や道筋」などが、なお明らかになっていないとの理由から同意できない方針を決定していた。
一方、日遊協やPCSAは条件付きで賛同する方針を示し、同年11月に日工組はECO遊技機の継続開発することを決議していた。
2015年はECO遊技機どころの騒ぎではなくなってきた。ベース問題に端を発した検定機とは性能が異なる遊技機問題の発覚である。最終的にはMAX機を撤去する、という裏技的落としどころで決着。2016年はMAX機の撤去を完遂することが日工組に課せられた使命でもあった。
MAX機の撤去が完遂する2017年は、いよいよ日工組としても警察庁に対してECO遊技機が市場に登場できるように規則改正を申請する準備が整う段階となる。規則改正の時期も出ているが、進捗状況は混とんとしている。
ECO遊技機のセールスポイントの一つは万全のセキュリティー対策だ。ゴト師グループによって、一説では年間6000~8000億円もの巨額なカネが裏世界へ流れているともいわれている。日工組メーカーとしてはゴトのできない機械を開発することが大命題だったが、その一つの答えがECO遊技機システムでもある。不正対策を強化し、裏社会へ流れていたカネを一般ユーザーに還元することで、パチンコ人口の減少に歯止めをかける狙いもある。
そのための仕掛けが双方向通信だが、遊技機に入力信号が入ることを警察庁は良しとしていないようだ。
「タイムマシンがあれば、50年後、100年後のパチンコ業界を見てみたい、という強い思いがある。それはECOパチによって、業界がどのように変わり、その時販社はどういう立場で存続しているかが気になる」と話すのは遊技機販社の社長。
さらに話を続ける。
「かつてのCR機の時のように、急速に導入は進まないと思っています。それは射幸性がECOパチになったからといって高まることは考えられませんし、ホールさんの資金調達の問題もあります。補給設備が不要になれば、関連業者は仕事がなくなります。急激な変化を業界は望んでいません。販社もECOパチになった時に、どう関わっていけるのかはまだはっきり分かりません。点検項目自体がなくなっているかも知れません。接合部の動作テストだけになっているかも知れません」と不安視している。
ECO遊技機の登場は販社にとっても死活問題になるかも知れない。
撤去問題の補償金を巡り、日工組と全日遊連の間にはさらに深い溝ができてしまった。ECO遊技機には賛同しない全日遊連だが、プリペイドカードの時と同様に日遊協加盟ホールからECO遊技機の導入が進んで行くのだろうか? その前にちゃんと誕生するかどうかだ。

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。