パチンコ日報

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集めるから「集まる店」への挑戦

第6回ぱちんこ情熱リーグより

昨年1月31日、愛知県稲沢市にグランドオープンした「夢屋祖父江店」(550台)は、オープン時は新人スタッフばかりの集団だった。同社が接客レベル向上のために実施している「グッドサービス」では、100点満点で35点、という点数からのスタートだった。全店平均点が70点、チェーン38店舗中38位、と最下位だった。

グッドサービスは月2回、社内の評価者が営業中のホールを巡回して、基本動作ができているかどうかをチェックする。

不名誉な記録は1カ月で脱出する。

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スタッフの1人が、評価者の前だけ3倍の笑顔と3倍のあいさつを心掛けるように、現場に指導した。それは点数と評価のための接客指導だった。

「点数が上がれば自分の評価も上がる!」

そんな下心はすぐにスタッフに見透かされる。

「評価者よりも目の前のお客様が大切なんじゃないですか」と現場のスタッフから声が挙がる。

接客のグランドチャンピオン大会に出場した時、顧客から「頑張っている姿を見ていると死んだ孫を思い出す。会いたいからまた来るね」という手紙をもらった。

この時「評価者のためではない、お客様のための接客が感動を生む!」と評価者のための接客と決別すると、エクセレントサービス(個別対応能力、感動サービス)に力が入るようになった。

祖父江店のスタッフはエクセレントサービスを「お客様のことを常に考え行動し、私たちに会いに来ていただけるような接客」と定義づけた。

そして、合言葉は「今日のスペシャルは、明日のスタンダード」。標準化したサービスを積み重ねる

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具体的にはこんなことを実践している。

■駐車場巡回

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駐車場の巡回はどこのホールでもやっている。同店の場合は、1時間に1回の駐車場チェックの時にお客様に出会ったら車内の吸い殻とゴミを回収する。

■駐輪場整備

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駐輪場整備もどこのホールでもやっている。同店の場合は1日2回駐輪場整備をする時に、自転車のタイヤの空気圧をチェックして、空気が入っていない自転車には空気を入れる。そこには安全に帰って欲しい、という願いが込められている。

■傘の貸し出しサービス

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これもどこのホールでもやっている。駐車場チェックで外へ出た時に急な雨で傘を持っていない人を見かけたら、それがホールの前を通る通行人であっても傘を貸し出す。

そして、今目指しているのが地域のコミュニティー店舗だ。地域柄お年寄りの数が多いため、街の公民館のような存在で、地域の交流の場になることを目標としている。

ホールでは珍しく地元の商工会にも加盟した。祖父江町は日本一の銀杏の生産地で、銀杏を使った特産品の数々の品を景品として取り扱っている。

地域を愛し、地域から愛される店になるための取り組みでもある。

笠ストアマネージャーは、夢屋グループとしては8年ぶりの新店に当初は会社の期待に応えられる数字を残せなかった。オープン当初は「新台の台数が少ない、チラシの回数が少ないから稼働が落ちる」と言い訳の日々だった。

今はこう言い切る。

「我々の使命は諦めずに知恵を絞り、限られた経営資源を有効活用し、成果を出すこと」

こういえるようになったのも週末を中心に稼働が上昇し業績改善に成果が現れるようになったからだ。

さらにこう続ける。

「すたっふぉと共に成長・実践し機械や販促に頼らない人と人をつなぐコミュニティー中心営業を行い、地域にならなくてはならない存在になって行く。集めるから、『集まる店』へ挑戦して行く」

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地域の人が公民館のように集える店は、今後必要とされる存在となって行く。


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