歴史は古く、ケータイ時代からこの手のゲームはあった。まずは、手元で馴染んでもらい、次に実際にホールへ足を運んでもらえば、遊技人口が増える…。
マルハンが2012年8月1日から運用を開始したマルハンドリームネットもそんな考えの一つだった。ホールに設置されている機種がプレイできるだけでなく、ノリ打ちやチーム結成などのソーシャル機能により、 パチンコ・パチスロが大勢の仲間と楽しめるオンラインホールサービスだった。運用開始からわずか半年でサービスを中止したことは記憶に新しい。
「パチンコをしたことのない人をパチンコホールに向かわせる施策の一環がオンラインゲームでしたが、ゲームで止まり、成功した事例がない。実際にホールに足を運び5000円でも負けると1日のアルバイト代が消える。ゲームならおカネもかからない」(メーカー関係者)
インターネット時代は情報やゲームもタダ、という認識がある。スマホゲームに課金する人も多くなってきているが、ネットから入門するとどうしてもそこから先には進まない。
実際のホールへ行くには、昔から同伴者の存在が必要だった。今のホールは玉の貸し出し方から、遊技の終了方法まで分かりにくい。さらに遊技機そのものが複雑で同伴者がいないととても行けるものではない。
「換金率も表示していないので、それも分からない。換金所もホールは教えられない。こんなブラックボックス化してしまったホール環境では、ネットで入門した人も躊躇してしまう」(同)
新規ユーザーを開拓するにはかなりハードルが高い遊びになっていることに、ゆでガエル状態になると業界人は気づかない。そうなると、業界的にはスリープユーザーをもう一度ホールに呼び戻すしかないのだが、一度卒業したユーザーは、よほど業界が変わっていない限り戻ってくることは考えられない。
「変わる」といえばこんな話がある。
12万円勝ったサラリーマンのAさんは、財布に久しぶりに大金が入っているので、帰り道にひったくりに遭わないか冷や冷やしながら家に帰った。
無事、家に到着したものの、財布の中に大金が入っているところを奥さんに見つかりたくない。そこで、車のシートの下の方に隠している、というのだが、ここからがAさんの要望である。
「ホール内にあるATMに入金機能を付けて欲しい。それなら安心して帰られる」
ATMで入金できるように仕様を変えることで、利便性が上がる、というもの。

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