パチンコ経営タイムズが、来る3月9日にホテルメルパルク東京で、3月11日はホテルメルパルク大阪メルパルクで「ホール経営の黄金律セミナー」を開催する。
講師はシェアハウス代表取締役/経営コンサルタントの西尾敏氏と長尾経営事務所代表/中小企業診断士の長尾康行氏の2名。
そのさわりの部分をちょっと紹介してみよう。
まずは西尾氏から。
サミットによる入替自粛迄の3か月間でやっておくべきことを書いてみます。
①店全体の週間平均稼働をパチンコ:out24,000発
スロット:in10,000以上にする
パチンコ:out24,000発、スロット:in10,000が遊技客に支持されている基準の稼働です。基準稼働以上の店であれば、土日ピーク時間帯の客数は遊技台数に対して7~8割の稼働があり、メイン機種はほぼ満台状態。メイン機種を中心に仕掛けをすれば、入替に頼らなくても集客数を増やすことは可能です。
基準稼働未満の場合、新台入替を行ったとしても遊技客の店内移動だけで終わってしまい客数アップは見込めません。ましてや入替ができないとなると・・・。
現状の貸玉営業で基準稼働を下回っているのであれば、早めに粗利を下げて稼働を上げるか、別の貸玉の組み合わせを考えて基準稼働を上回るように営業することを強くお薦めします。
②遊技台数の稼働上位1/3のコア(導入から60日以上経過している台)グループ平均と、その他2/3グループ平均の稼働差をパチンコ18,000発、スロット6,000枚以内にする
例えばコアとなるパチンコのAve.が36,000発であれば、その他のAve.は18,000発必要です。スロットも同じでコアAve.が14,000枚の場合、その他Ave.は8,000枚が下限稼働です。
私の経験則から稼働には「リード」というものがあって、上位グループと下位グループの稼働は引き合います。その他2/3の稼働が下限稼働を下回ると、コアの稼働も引っ張られて下がっていきます。
稼働の上げ方にはコツがあり、
●コアとその他の稼働がパチンコ6,000発、
スロット2,000枚以内の場合はコアを上げることを優先する
●パチンコ12,000発、スロット4,000枚以内は
上げやすい方を上げる
●パチンコ18,000発、スロット6,000枚位以内であれば
コア以外を上げる
稼働の上げ方のコツを使いながら、入替自粛期間中に下限稼働を下回らないように準備しておくことが大切です。①②を軸に営業を強化することで、入替自粛を乗り切るだけでなく、超繁盛店への一歩になると信じています。
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つづいて、長尾氏。
ここ数年、私共には「資金が行き詰るのではないか」と心配される経営者様からキャッシュフローの改善依頼が増えています。そこで、今回は実際にご相談があった事例をご紹介します。
【パチンコホールの実際にご相談があった事例】
依頼当時のホール概要は以下の通りです
【店舗数】3店舗(スロ専1店舗、併設店2店舗)
【売上】 約27億円 【有利子負債】約14億円
依頼内容は「毎月1,000万円近くの資金が流出している原因を突き止め改善してほしい」とのことでした。
分析してみると、経常収支はプラスで財務収支が経常収支のプラス以上にマイナスという典型的な構図。3店舗の毎月の粗利合計が5,000万円、3店舗の毎月の経費が3,000万円で2,000万円ほどの利益がありました(経常収支はプラス2,000万円)。
ここから金利450万円、元本返済1,500万円、機械代の支払1300万円、設備投資のリース代の支払いが400万円ほどあり(財務収支はマイナス3,650万円)、最終的には毎月約1,650万円の資金ショートを止める事が私共にミッションでした。
【外科的手法M&Aで不採算店舗を売り抜いた事例】
私共はこの状況を改善させるために、さらに過去12か月間の業績及びキャッシュフローを分析したところ200台クラスの低貸専門店で毎月約200万円の資金が慢性的に流出していることが判明しました。
商圏や同業他社を分析しても、今後改善する見込みは限りなくゼロに近かったためこの不採算店舗を閉店し、会社分割という手法で同業他社へ売却しました。これで単月200万円のキャッシュフローが改善されただけでなく、店舗を売却することで2億円の有利子負債が圧縮されました。いわゆるM&Aで、一気に状況が改善した事例です。
しかし、閉店するという事は会社全体の売上が減ることを意味します。パチンコ業は、売上が減ると日々の入金額が減るため経営者様は店舗閉鎖に後ろ向きでした。しかし、本来、経営者とは全体を俯瞰し、判断しなくてはなりません。今日明日の資金を得るために毎月200万円も損をするという事はあってはならないと説得し、最終的に納得していただきました。
【第一に、増益体質にすることが最も重要】
今回の事例企業様のように資金繰りや業績が厳しい企業様には増収増益ではなく、「増益」を目指さなくてはなりません。例え売上が下がったとしても、一度しっかりと利益を出し、キャッシュフローを改善させることが重要なのです。
M&Aのような外科的措置を行いながらも、社内では同時に粗利率の改善と経費の削減に取り掛かりました。
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