パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

原発避難者からみたパチンコの光と影

まもなく東日本大震災から丸5年が経過する。復興のニュースはあまり伝わってこないだけでなく、避難所の日常も報道されることはない。

特に原発避難民の実情を伝えるのは一部の週刊誌で、一般紙が取り上げることは少ない中、2014年7月26日付の産経新聞が「ベンツも売れる原発補償の現実」と題する記事を週刊新潮の記事を基に解説している。

それによると、原発避難民の補償金は2011年10月から、赤ちゃんからお年寄りまで、1人当たり月10万円あるいは12万円の精神的損害補償に加え、震災前の収入は自己申告すると全額補償されている。

60代男性のケースでは自宅や田畑の補償金が約2000万円。家族全体の精神的損害賠償金は70万円、震災前の収入補償と併せると一時は、月収が200万円になった。

なおかつ、家賃は無料、医療費は免除、所得税や地方税を支払う必要もない。

このため、原発避難者を受け入れている福島県の某市ではベンツやBMWの高級車が売れ、不動産売買が活発化し、その9割が避難者による需要だという。

この避難者の急増で好調なホールが福島にはあることも事実だ。

ことし80歳になるおばあちゃんも、原発避難民の一人だ。家は農家で8人暮らし。息子夫婦らと同居していた。精神的補償だけでも月額80万円入ってくる。

元々は農家だったが、避難先では何もすることがない。

そこでおばあちゃんが始めたのがパチンコだった。

「パチンコがあって本当に精神的に助けられた。何もすることもなく、家族が家で顔を突き合わせていたら、喧嘩しかしない。パチンコは1人で、行きたい時に行けるのがいい」とホール通いを始めて4年になる。

同じ地区から避難してきた知り合いの中には、カラオケ装置を買った人もいたが、毎日聞いてくれる人もいない家で歌うことに飽きてしまった、という。

補償金は毎月決まって入って来る。おカネの心配がいらないので、家族もおばあちゃんが毎日パチンコへ行くことを反対することもない。

毎日何もしなくてもおカネが入って来る生活に飽きたお孫さんは仕事を見つけて働くようになったが、おばあちゃんや息子夫婦は、農業しかしたことがない。新天地で農業をやる意欲はなかった。

避難先生活でパチンコがあったことは精神的な支えになった反面、おカネの大切さを忘れさせることにもなった。

「自分の小遣いでやるのなら、ちょっとでも増やしてやろうという気で打っていたのに、今は勝とうという気がなくなった。することがないから毎日行っているが、年間で200~300万円は使っている」

普段は酒を飲まなかった人が、お姉ちゃんのいる店へ飲みに行くことを覚え、家庭内では不協和音が起こっている。

人間、自分が汗水たらして稼いだおカネを使うのが一番幸せ、ということだ。


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