「1円で射幸性がなければ、ゲームセンターですよ。射幸性のない台になったら業界は潰れてしまいますよ」と危機感を募らせるのは他ならぬパチンコメーカーの関係者。
ま、もっとも「射幸性を抑える」といっているだけで、射幸性が全くないない遊技機ということにはならないだろうが、ここでいう射幸性を抑えるとは、MAX機のように運がよければ何十万円もの大勝ができない遊技機ということであろう。
これについては、日工組内規で大当たり確率の下限を1/400から1/320に引き上げたほか、初回の大当たり獲得遊技球数の下限値は、1/3以上かつ600個以上とした。
「決まったのは大当たりの確率だけで、具体的な基準が話し合われたことは一度もない。射幸性を抑えた台を出しても、お客さんはおカネを突っ込んではくれない。しんどくなるのはホール。射幸性を抑えた台は売れない」(同)
財務体質が強固といわれる関東のホール企業ですら、1円だけになったら社員を食わすことはできなくなる、というシミュレーションがある。粗利はやはりMAX機で上がっていた。
こういう状況で粗利を取るか稼働を取るかの二者択一となると、賢明な経営者なら稼働を選択するしかない。稼働を取るということは薄利で経営して行く、ということだ。
パチンコは換金があるために息の長い産業になっている。業界人な誰もが換金が禁止されたら業界は一巻の終わりだと思っている。射幸性の高い機械によって業界が成長した一方、射幸性の高い機械が業界を衰退させているともいえる。
つまり、射幸性を求めない一定のユーザー層はいたはずだが、売り上げが上がらない機械とユーザーを業界自らが排除して行った。
東京・上野にあるスロ専のゲーセンを体験したホールオーナーは、換金がなくとも盛り上がっている現状を目の当たりにして衝撃を受けた。
「地方は1パチですら稼働が厳しい。出る、出ないの感覚を捨て、換金目的ではない人たちをどうやって呼び込むかが地方のホール再生のカギになる。今までの様に新台を入れて集客するというような感覚では生き残れない」と話す。
換金がなくて、一般景品だけで経営が成り立つならそれに越したことはない。低射幸性になってもゲーセンと違ってパチンコは景品交換という強みを持っている。

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