以下本文
自分はスロ専ですが、良い機会ですので、被災地のパチ事情をご紹介したいと思います。
今、岩手県沿岸の某市に働きに来ています。震災前は、市内に6軒のパチ屋がありましたが、津波で3軒が流され、未だに営業を再開していません。
岩手県の沿岸は娯楽も少なく、水産の町ということもあって、元々パチ人口の多いところです。そんな中、震災でパチ屋が半減した訳ですが、震災から2~3年は、被災しなかったパチ屋は大繁盛でした。
この記事にあるように義援金などが集まったこともあるのでしょうが、震災で多くの人が職を失い、船や漁具を流され、再就職のあてもないまま家でゴロゴロしていると喧嘩になるというのは、おそらく何処でもあった話なのでしょう。とにもかくにも多くの人が残り少ないパチ屋に集まったのですが、そうなると店も張りきって出玉を開放します。
自分も何度か、平常営業で設定6確定画面を見ましたし、随分と出している印象はありました。
3年過ぎて、就職事情が徐々に落ち着いてくると人が減り始めました。夕方にはほぼ満席だったものが、今では平日夕方の稼働は5割くらいでしょうか。
箱を持っている人はほとんどなく、自分も打ってみると挙動はどうみても設定1か2、良くて3といったところです。たまに箱を積んでいる人を見ると、GODと沖ドキのお客さんです。さもありなん。
5スロを入れている小さな店は1軒ありますが、大きな店は20スロだけです。その店はジャグラーが約1/3で残りはほとんどAT・ARTです。中でもGODと沖ドキが多く、稼働も良いのですが、みんな死にそうな顔で打っています。
最近の新台入れ替えの時に、新台全部がマイナスグラフだったのは驚きましたが、震災で流された他の3軒に申し訳ないと思わんのか、とツッコミを入れたくなりました。
一番大きな店でそのザマですから、他の2軒は推して知るべし、です。
そんな店に行かなければいい、と以前のエントリーにありましたが、一番近い近隣の店になると20㎞ほど離れています。東京-幕張間ぐらいでしょうか。しかも出玉事情は似たり寄ったりで、こうした沿岸の町ではパチ屋もレートも選択肢が極端に少ないのです。
今、被災地は復興の最中で、余所から働きに来ている人が大勢います。その人々はどこに住んでいるかと言えば、賃貸住宅は被災者で満杯ですから会社が借りたホテルや旅館などで、仕事が終わると夜はやることがありません。
単身、ホテルで寝泊まりする生活を何ヶ月もやっていると飲むかパチを打つかぐらいしかなくなってきます。特殊なお風呂など論外です。沿岸部にとって、パチは数少ない娯楽です。土日は盛岡や仙台に帰ってしまう人も多く、平日唯一の楽しみがパチという人も珍しくありません。
ですから、夕方のパチ屋はそれなりに人がいますけれども、ここ1年ぐらいの酷さは既に書いたとおりで、お世辞にも勝てる気がしません。それでも打つのは娯楽だからですが、娯楽に全財産をつぎ込む訳にもいきませんし、遊戯人口は減る一方です。
サラリーで打つ以上、負けても良い金額は自ずと決まっているのですから、搾り取るのが正しい営業とは思えないのですが、少なくともこの町では客を全員トバすつもりで営業しているとしか思えません。
お為ごかしに張ってある「適度に楽しむ遊びです」ポスターを見ると、何時もイラッとさせられます。「適度に遊べない機械を作って遊べない設定や釘にしておいてどの口がほざくのだ」と。
せめて「遊んだなあ」という気持ちだけは持って帰らせて欲しい。被災地に限らず、今のパチ事情では、切にそう願わずにはいられません。

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。